文学

タワマンノベル、実家編

「たかし君は正月は来れないのかい?中学受験ってのはよく分からんけど、小学生からそんなに勉強する必要があんのかねぇ…」。老いた母の背中は記憶の中のそれよりずっと小さく、皺だらけの肌は干し柿を思わせた。「何言ってんの、東京じゃ当たり前よ!」動揺…

メシマズ家庭の記憶

メシマズの人って、祖母がそうだったけど、手順に従わないで手を抜こうとするなんてのは序の口で、余計なことするからダメ。おでんの具に色がつくぐらい煮込むなんて絶対無理で、小学生だったわしの机をあさって水彩絵の具で色をつけてたからね。開き直って…

「ポプラ」の記憶

ポプラという九州中心のコンビニチェーンでは売ってる弁当のごはんスペースが空で、購入するとレジ後ろの炊飯器からほかほかのご飯を盛ってくれる。+30円で大盛にできる。店にもよるがこんな感じ。 pic.twitter.com/C4ef1Jg1tb— ピンフスキー (@hideyosino)…

あるおもちゃ屋のはなし

(1/2) むかあし、サザンの街にあった伝説のおもちゃ屋の話です。遊びに来てくれた当時のちびっこたち、ありがとうございました。 pic.twitter.com/WioaJTVVfD— りあら@移住8年生! (@Reala_k) 2021年9月17日 近々続きを描きますー!! 沢山の方に読んで頂…

ポスモ・ニューアカのカウンターとしての90年代文化・メモ

90年代の文化は、80年代の「ネガ」として自分たちを位置づけていた(その「ネガ」がようやく日の目を見た)という「露悪」に彩られていたと思います。80年代の軽薄さの裏返しとしての湾岸戦争の「反戦」表明、ニューアカの裏返しとしてのオウムの糾弾ないし…

ディストピアマニフェスト

川端康成の伊豆の踊り子や島崎藤村の夜明け前の書き出しくらい声に出して読みたい日本語だな pic.twitter.com/jqOchQXokr— ワン・チャン・アルディ (@WangChangHardy) 2021年7月5日

立花隆「知の巨人」への違和感・メモ

https://anond.hatelabo.jp/20210623205102anond.hatelabo.jp 立花隆にはいくつかネット関連の本がある。基本的によくある「誰でも好きなことを発信できるのがすごい!」みたいなのだったけれど。皮肉なことにネットによって立花隆みたいな「いっぱい本を読…

〈おんな・こども〉の領分の伸長の「戦後」史・メモ

〈おんな・こども〉の前景化、主体化というのが、制度のたてつけなどと共に、あるいはそれ以上に先廻りして人々の意識の側からなしくずしに行われていったのが「戦後」の生活環境におけるある本質的な変化だったとおも。 概ね昭和20年代から30年代いっぱい、4…

近代文学と情報環境・メモ

文字活字の「読まれ方」というのが、その当時の情報環境とそれに伴い編制されていたはずの言語空間において、加えてその頃生きていた生身の身体とその身体性を介してどのようなイメージなり創造力の結果なりを宿していたのか、という問題。#わけのわからない…

戦前から戦後へ、左翼的〈リアル〉への追及の仕切り直し

児童文学の側での、そういう「戦後」の始まり方。 「戦争が終わったときに、ぼくは山中峯太郎の本などを自分の日記と一緒に燃やしているんです。あとになって、民主主義で山中峯太郎が書けないだろうかという、非常に教条主義的な発想がありました。」 「『赤…

職場をまわす〈リアル〉・メモ

地元在住の写真家藤井豊君が、暗室で使っていた冷風扇と食料を届けてくれる。震災後の東北縦断行脚の経験から、疲労時には取り敢えずカロリーメイトで持たせろとのアドバイス。アマゾンの倉庫労働での近況をたっぷり聴く。意外にも、働き易い職場だとか。ス…

『クレア』の時代・メモ

今は昔、90年前後の女性誌『クレア』とか『マリ・クレール』って、バブルっという条件もあったけれど、広告さえ載っけておけば、後は編集者の自由裁量で、かなり好き勝手なことが出来る雰囲気があった。両雑誌でかなり方向は違ったけど、前者には昨日のツ…

かつて「文学」と呼ばれたもの

かつて「文学」と呼ばれていたものは、何も小説や文芸批評だけではなかったというあたりのことから、もうすでに「昔話」になってしまっていることを前提にしなければならないんだが、な。 自己形成(この言い方ももう錆びかかってるが)のよすがとして、若い衆時…

ささやかな文学

>RT公園で寝て落ち葉まみれで「葉っぱ婆さん」というあだ名のホームレスが、昔バイトしてたファッションビルに時々現れた。しばらく兎のぬいぐるみやアンティークのブローチなど眺めてると警備員に追い出される。葉っぱじゃなく可愛いものやキラキラしたも…

関川夏央の記憶・雑感

「二十代のころ、わたしは関川夏央の文体を真似した失敗作をたくさん書いた。深夜、阿佐ヶ谷のファミレスで原稿を書いた。恥ずかしい過去とは思っていない」文壇高円寺『二十八年前』僕らが10代終りから20代になる80年代の終わり、バブルの影に隠れて…

オリザ問題さらに

科研費ってどっちかというと「私の研究は何より優れているから金くれ」ではなくて、「こんな独自性があってこんなことが分かると思うから金くれ」なので、なんか平田オリザ、産業も研究も自分以外をすべて間違って認識してないか? https://t.co/tMuXIm7Nap—…

読み方についての来歴・雑感

読むべきものとしていの一番に「論文」というジャンルが疑いもなく当然のように出てくる、出せてくるあたりがもう、外道にゃ理解でけん感覚だったりする。 読むべきだと思ってそう判断したなら何であれ読む、文字活字であれば言わずもがな、それ以外のもので…

本邦ポスモの本性・雑感

ソーカル以来、ポスモは自然科学を生半可にさわってドヤったバカ(大意)って理解になっとってそれはそれだが、ただ本邦ポスモの場合はそれらと少し違うありようしとったような気がする。 ようわからんが、本邦の場合はそれまでのいわゆる「文学」が下味として…

ラノベの「効用」・メモ

https://twitter.com/akihiro_koyama/status/1230789909390082048 「天声人語」の書き取りを小学生の子供にやらせてる家があって、 その家の子は勉強量の割に本当に致命的に国語力が低かった。 親御さんに強く勧めて漫画をどんどん買わせて、 低学年の読解か…

「読む」ことの現在

わかるわ〜私はかなり本読んでた方だと思うが、Twitter追ってリンク先の記事やらブログやらを読む、と言う悪習(と敢えて言う)を一日何時間か5年ほど続けた結果、一冊の本を読み通すのが前に比べ激しくツライ。まして最初からそうな人々にしてみたら。(続…

遠ざかる「オシャレ」・雑感

岡崎京子のまんがは現在のティーンエイジャーにはまったくウケないのだそうだ「なぜわざと不幸になるのか」という点が理解不能の由、しかしおれ世代に太宰治がまったく響かなかったことを想えばさもありなんではある。 pic.twitter.com/wj62F85Ue0— 𝙏𝙖𝙠𝙖𝙜𝙞 𝙎…

「児童」と「民俗」・雑感

「民俗」の発見と「児童」の発見の関係について。あるいは、民俗学と児童文学の、本邦近代思想史上の相似性について。たとえば、共に近代的な〈知〉の通俗化と凡庸化のある接点において、その版図をうっかり拡大してきたという意味においての。 これはあの柄…

あいちトリエンナーレ事件と戦後レジューム・メモ

今回のあいちトリエンナーレの騒ぎは、表現の自由など様々な側面で語られうるだろう。その中で私がなんとも残念なのは、韓国側からは持ち出せない形にした慰安婦問題を、日本国内から再燃させてしまったということ。せっかく完遂されようとしていた戦後レジ…

「おはなし」の遷移・メモ

半青で実感したんだけど、一定の人々にとって、物語とは道徳的な教訓話であり、若い女性や子どもが主人公の場合は苦労してがんばる話じゃないと物語の型を守っていないとイライラするのではないかと思う。もう嫉妬とか抑圧とか通り越して、思考停止じゃない…

ポスモ/ニューアカと自然主義・メモ

*1 「自己を「自然」の代表者かそれに近いものと見、これによって他人や社会の陥っている不自然の中から「自然」を探し出し掘り出す可能性を自負した以上、自分以上に興味ある対象はなくなり、ここにわが国自然主義特有の一種強烈なナルシシズムが誕生したのです…

佐伯彰一の「歴史」認識

「時間の推移と共に、文学作品もまた歴史の一部と化してゆくという、僕の日ごろの感慨が又しても裏づけられたと、呟かぬわけにはゆかない。つまり、人間の現実の即席、その行動や蹉跌ばかりでなく、その願望と失望、夢とファンタジーまでもが、まぎれもなく…

英国初期近代の文芸から・メモ

*1 私は文芸が社交のツールだった英国初期近代(近世)の研究をしているのですが、実はそういう時代だと逆に「紙の印刷書籍(商品)にするなんてはしたない! 文芸はあくまで社交の範囲にとどめおくべきだ!」みたいな思想(stigma of print)があるんですよ…

「民芸」・アンノン族・ファンシー絵みやげ

それディスカバー・ジャパン前史方面から調べてみるとおもしろそう。新年度になったら資料あさってみますわ(忘れなければ)。— ESHITA Masayuki (@massa27) 2019年3月8日 「民芸」ってもの言い、当初の柳宗悦界隈からあさっての方向にズレていって、高度成長…

〈いま・ここ〉と〈それ以前/外〉

*1 若い衆に曳かれてラノベ(とその周辺)詣りをしてきて昨今のそれ系批評or概説類を管見ながらも啄んでみて改めて感じるのは、むしろ〈それ以外〉の視点からそれらを逆さまに見通そうとしてみることも今や必要になってきとるんかも知れんなぁ、と。 ラノベや…

ストーリーのいまどき・メモ

*1 以前、とある日常ラブコメマンガの話をとある同業者さんとしてたら、 「あれってストーリーないじゃないですか」 「え? ありますよ。人間関係がだんだん変化していくじゃないですか」 「アスタさんはそれをストーリーって呼べる人なんですね、なるほど」…