TSUTAYA的なるもの、の現場、続き

 ついでに言うと、代官山蔦屋が何か新しい価値観を提示するというフェーズはもう終わっていると思います。良くも悪くも街の本屋として根付き、それを継続させていくのがこれからの役割なんじゃないかと。他にも面白い試みをしている本屋は沢山あります。好きです本屋。今が一番豊か。本屋に行こう。


 あと「ライフスタイル」「セレクト書店」みたいなのにもやっとする人は三品輝起さんの『すべての雑貨』(夏葉社)を読んでください。僕のツイートの5000倍は有益な時間になりますので。4月21日取次搬入で『すべての雑貨』 という本を刊行いたします。 著者は、西荻窪の雑貨店「FALL」の店主、 三品輝起さんです。 この本がデビュー作となります。 三品さんの素晴らしさをどう説明すればいいのか、 いつも迷うのですが、まず、FALLという店が 素晴らしいのです。 しかし、この本は雑貨の良さを語る本ではありません。 21世紀に入って爆発的に増えた雑貨屋、 さらにいえば、雑貨とはなに...

 続きのようなものを書いています。


 「ライフスタイル」も「カルチャー」もなんというか、しゃらくさいですよね。そう謳われている9割以上のものは空虚なものだと思いますよ。でも一握り(ほんとに一握りだとは思いますが)芯食ったことやってる人たちがいるんです。僕はそういうものは信じたい。


 本を取り巻く環境や本屋運営にまつわる話は内沼さん(@numabooks )が既に数年前に書いてますし、実戦もされてます。ので、興味ある方は僕の周回遅れの話なんかよりこちらのnote(できれば本を!)お読みください!

【全文公開】これからの本屋読本|内沼晋太郎|note
『これからの本屋読本』(NHK出版)の本文を、すべて無料で公開します。現在、平日毎日ひとつずつ新しい記事を追加中です。ぜひコピペしてSNSやブログ等で引用したり、議論の土台にしたりしてください。これからの本屋が盛り上がっていくきっかけに、少しでもなれば幸いです。もし気に入ってくださったら、紙版や電子書籍版をお買い求めいただけれたらうれしいです。

 一本屋の話にこんなにリアクションがあるのに!なぜ!本屋は儲からないんだ!という気持ちです


 「オシャレ本屋(笑)」みたいに言及される店ではありましたが、全国にフランチャイズされる店舗のデザインにオシャレもクソもないとは思いますね。「おしゃれ」と「デザインされた」は全然別。余談ですが、デザインされたものを安易に「おしゃれ」とする態度は単なる無思考です。


 60万インプレッション…おれの原稿はそんなに読まれたことないのに…こんなツイートで…くっ…!
おれ頑張るよ…頑張るんだ…


 百年さんの「「本屋」への愛があったのかというとわからない。本という商材を使ってただ商売をしているという印象の方が強いからだ。そこに行く人、集まる人、出版社も結果それに加担してしまっているように思う」は全く同意です。


 お店の方針には愛を感じない部分もありましたし、結果自分も加担していたとは思います。そこは自分もぬるかったと言うしかありませんね。百年さん、大好きな書店です。みなさん行ってください。


 今は書店ではなく自分で出版社をやっています!『MATSUOKA!』最高なのでご覧ください!
『MATSUOKA!』の購入はこちらから!https://pipe.official.ec/items/20523434
https://twitter.com/nao4200/status/1270249675468140545?s=20

 ある特定の領域を一つのジャンルで括った時、必ずまがい物が紛れ込みますよ。「音楽」も「アート」も「文芸」もそうでしょう。一部の「本物」取り巻くシステム全体で「シーン(のようなもの)」が出来上がっている。


 ある一定規模のビジネスにしようとしたらこの矛盾は今のところほぼ必ず抱え込むことになると思います。でかい店舗維持するなら売れ筋置かなきゃ成り立たない。そうじゃない方法で成立させるなら規模を小さくするしかない。だから個人店が面白いんですよ。これは構造的な問題です。


 「好きなようにやる(ように見える)」ために適切な規模感で運営する。とはいえ、これもとても難しい方法です。だからこそ尊いですよね。このご時世、個人で店舗を存続させている全ての方を尊敬します。すごいことです。


 「好きなようにやる(ように見える)」と書きましたが、僕の印象では個人で始める人って好きとかよりも「納得いかないことは絶対にやらない」を大事にする人が多いんですよね。規模のために魂は売らないってことです。


 魂売るとどうなるかって、数字の誘惑に負けます。甘い蜜の味を覚えてしまうと蝕まれるんですよね。品揃えやコンテンツが売れ線になるぐらいなら良いですが、本屋ならヘイト本置いたり、倫理的にNGな情報商材本を置くことになります。そんなもののために生きてるわけじゃないのに。


 もっと言うと箕輪編集室みたいなものづくりの仕方、売り方が正解ってことになりますよね。ビジネスである以上は数字が正義な面もあります。でも空虚なもの何万部売るよりも確かなもの一冊届けることに心血注いでいる人がこの業界には沢山いるわけです。やっぱりそういう人と向き合ってたいですよね。

 飯田くんはバリューブックスという古本屋で編集者として働きながら「本を届ける」ことに向き合っている1人。彼も同社の取組みも面白いです。

 代官山蔦屋書店で働いていた、高橋さんのコメント。よく分かる。本屋(図書館含む)まわりの批判や失望を見るにつけ、その原因は、「本が好きな人」と「ふだん本を手にする機会がない人」へのアプローチの違いなんではないだろうか、と感じる。