「大人になる」ことの内実・メモ

 早く大人になりたい、と思ったのは、早く自分で稼いで喰えるようになりたい、と同義でもあった。


 それは、親の束縛からおおっぴらに解き放たれるための必須条件でもあったし、親自身そのように言い聞かせていた。


 「大人になる」「一人前になる」とは、自分のエサを自分で取って喰えるようになること。


 そのやり方を親は最低限教えてやり、そうなれるように育ててやること。


 親はざっくりそういう理解だったように思うし、実際そのようなことを言っていた。だからそういうものだと思っていた。


 ただしそれは、オトコのコだから、というのもどこかであったようにも思う。カラダが丈夫で元気でさえいたら、オトコは何とか喰ってゆける、的な。


 これがおにゃのこだったらどう教えられしつけられていたのか、兄弟姉妹のいないひとりっ子だったので、それはわからないままなのだが。

 飯炊きおさんどん一通り出来る様になっとけ、てのはあったように思います。うちは共働きで食事は子供たちが当番制で回していました。食べることさえ覚えれば生きていける、が母の罪滅ぼしのような理由でしたね。