ツルシ問題・メモ

 元SPA!編集長のツルシカズヒコ。現在は共産党員だ。売れなくなって極左になった、典型的なサブカル老人だ。野間易通と似ている。ブックオフで105円で買った、ポチ&コウの野球旅で描かれるポチことツルシ。カサンドラ症候群ぎみのワタナベコウが、ツルシを犬として描く。西原理恵子が熊になるのと同じ


 編集長になったのは、93年7月。左遷されたのは95年11月。わずか2年の短命な編集長だった。たった2年のサブカルの呪いが、あれから30年弱が過ぎようとするのに解けないのだ。ひどい話である。あの時、宅八郎を切り捨てて、小林よしのりと会社上層部に土下座。扶桑社に居座っているべきだったのだ。


 そうすれば小池晃の横で、座敷犬のように、まさしく共産ポチ犬と化して尻尾をニコニコと振らなくてすんだのに。どうせいつか誰かに尻尾をふるなら、小池晃ではなく小林よしのりにすべきだった。その方が出版人らしかったと思うのだ。


 あの時、宅八郎を切れなかったのは、ツルシの体質そのものだった。ある種の人間は、同じ種類の人間に出会うと吸い寄せられるように仲良くなる。また大喧嘩が始まる。小山田圭吾が語った、和光の図書室のような人間模様が見れるのだ。ツルシは宅八郎に吸い寄せられて仲良くなり、竹熊健太郎と大喧嘩。


 宅八郎竹熊健太郎は、同じ種類の人間だった。そしてツルシカズヒコもまた、同じ種類の人間だったのだ。もしかしたら内田春菊もそうかもしれん。彼女はツルシワタナベ夫婦と大喧嘩してる。内田春菊は、竹熊健太郎がわの人間だったのだ。


 ちなみにツルシカズヒコが扶桑社を辞めて、仕事も長続きせず、なかなか定職につけない感じは、野波ツナの旦那と似ている。エッセイ漫画を読み比べてもらえば、彼らがお察し案件だとわかるはずだ。90年代の出版業界、あんな人ばかりでしたよ。


 単なる社交辞令を本気で信じこむ感じは、ツルシと野波ツナの旦那に共通するもの。その後もフラフラして家庭をかえりみず、定職につかない感じも似ている。憂鬱な妻の空気を、全く読めないところなども。ワタナベコウは野波ツナの漫画を読むといいかもしれない。エッセイ漫画のネタが拾えるはずだ。


 ざくざくろや、田房永子ていどの漫画なら、ぶんか社竹書房で描けますよ。即連載じゃないすか。


 ツルシカズヒコはなんの人望もなかった。事情を知ってる出版人が、彼を再雇用するはずない。ついてくる後輩もいるわけがない。何も知らないロフトプラスワン社長と、曙出版社長くらいしか、彼に魅力を感じる人はいなかったろう。無知ゆえの事故だ。映画秘宝編集部を追い出された町山智浩とにている。二人とも社内や職場の空気は読めないお人ではあった。90年代サブカル編集長は、似た人種だから似た結末をたどるよな。


 ツルシの人望の無さは、反小林よしのりの中心人物だった大物サブカルライターが嘆いてたと噂で知った。ツルシびいきの彼から見ても、致命的なレベルの嫌われっぷりだったのだ。町山智浩の素行のひどさと、よく似ている。だって同じ種類の人間だもんなあ。