ウェーイからバンカラまで・メモ

もしかしてこれは、詳細に調査考察するとなると大月先生の専門分野(民俗学)ではないか?。


「ウェーイ学生の系譜:バンカラからミスター慶應まで(ちくま新書)」


とかあったら読みたい。

ああいうの、学生文化の方に進まないと例えばヤンキーになるのだろう。ただヤンキー文化が多分に不良生活と重なっているため、就職や家庭を持つことで区切りがつく(つけざるを得ない)のに対し、学生文化は一流企業等への就職と地続きだから区切りはつきづらいかもな。

「いつまでも学生気分じゃダメだぞ」というおじさん・おばさんが、ある面では学生並みに幼い若作り感があるのもそれだろう。

腕まくりせんでもないのすが、まずその「ウェーイ」の定義wからしてみんことには、当方のこれまで何となく描いていた「書生・学生文化」の「民俗」レベル含めた来歴などとうまく接続でけんような気がするので、自分はむしろ「ウェーイ」からまず理解しようとするのが先決のようであります。


明治20年代さしかかるあたりから、そういう「書生」文化が輪郭整えてきたというのはあるようですが、それと今イメージされる一般的な「旧制高校バンカラ」像とそのままでもないですし、そのイメージが結晶してゆく過程というのも時代相社会相その他と共にあったわけで。

空気支配・操作とかそういう要素を強く感じますね(自著の某論考で似たことを論じている際に用いた定義を拡張できそうです)。

以前の「ヤンキー」から「チーマー」へと移行・遷移していった過程なんかとも似てるんでしょうかね、いやまったくそのへんちゃんと考えたことないのでアレですが(´ω`)

チーマーも語源がチームですから、もう少し土着性なり組織性があったと思います。だだ、この頃から都会的なオシャレを追求するようにはなったのかなとは。それがミスター慶応的なものになるには何段階か壁あるとは思いますが。

チーマーは土着性といえばそうですが、例えばセンター街のチーマーが渋谷駅周辺の生まれかというとそうとも限らず、それどころか渋谷区民ですらない事例も多く(港区女子に似ている)、生まれ育ちの土着よりは遊び文化との地域性と結びついてそうですね。

ウェーイ文化を定義すると…「自立や社会的責任を減免されている学生等の若者が、ノリと勢いで粋がる過程から発生しうる大衆的現象。時代によって具体的な風習は異なるが、その時代なりの流行と様式に則り、自己が溌剌とまた若者を代表しうる存在であると誇示するような言動」思い付きですが。


学生は学問という知的活動は課せられる一方で、家計を営む稼得は(実家の経済状態にはよるものの)基本的には減免されており、その二つと若者なりの元気と流行が合わさると生まれそうなんですよね。書生文化から地続きかと言えば自分には分からんのですが。

思うに、チーマーよりはミスコンやエコロハ、コミュ力での就活やモテなどの方が昨今強い影響力を発揮しているように感じます。平成以後の恋愛と贅沢と資本主義というか。地続きの部分は社会関係資本文化資本の総動員が続いているところでしょうか。

その辺は「学生文化や学生大衆の中で、より耳目を集め一目置かれやすい要素、及び要素を整えられる人」の変遷もありそうです。これまた地域によるんでしょうけど、ここ20年ははぽん教授の仰るようなこともありそうです。女子アナブームと、それと密接に接続している有名大のミスキャンパスとか。

結果というか目的というか、キモい「イカ東(いかにも東大生)」「イカ京」、その供給源たる男子進学校のオタクやアスペな連中、に対して世間が厳しくなってきているように感じるんですよね。国立大に落ちてやむなく早慶上智行った知人が大学呪ってました。

横からスミマセヌ。イカ東で思い出したのですが、00年代頃は、イカ東も従来型(要は「イカ東」)と、新型(ワシらは「ネオイカ(東)」と呼称)、文2テニサー、オシャレ風を装っているがやはり慶応のホンマモノのオシャレさの前ではゴミ、みたいな「典型像」の二分化が生じていたかなとワシ愚考

駒場本郷に落ちたので行った知人(だいたい2008~12年入学)の使用法を解析した限りでは従来型の意味しか聞いたことがありませんでした。まあ、理工系中心だし、出身高校的な偏りが大いに存在するので、新型を使いそうなテニサーにリーチできないことが前提としてあります。

返信恐れ入ります😀。ワシがイカ東、ネオイカに関して観測したのは2004頃であった故、ぽん教授さんとは時期が少しズレているかも知れませぬな。ワシの観測だと、都内進学校出身がネオイカみたいなイメージあり
此れスゴい嫌らしい話でワシの人格を疑う+当事者にはスマンが、「2軍」都内有名校→東大、という、上手く言えないが、「人格が破綻していない人」(上手く表現できん)がネオイカなイメージなんですなわし的には。

鉄緑会とかSEGとか、駿台他の東大コースとかそういう空間を知ってはいるので)わかってしまうところはありますね……。まあでも御三家クラスでも一定数そんな感じの、「要領の良い」系統はいますね。まさにブルデューっぽい、いやらしいけど大事な話題なので扱いムズいですが。

まさにご指摘の通りで、「要領の良い」が適切な表現ですね。ご指摘ありがとうございます😁。ブルデューって誰やろ、ってググったワシー😂確かに要領の良い駒場での振る舞い方はネオイカ化ですわね

ブルデュー文化資本や育ちを扱ったため、フランス御当地の話ですがこういうえぐい話題を多数展開してます。国と時代が違いますから、「要領の良さ」「モテ」要素の探求は薄めですけども。 恐らく平成日本の世相そのものでしょうから。

今、ブルデューウィキペディア記事を読んでいますが、すごい良い記事ですね、ワシにはかなり難解ですけど💦。ゆっくり読んでいます

エコル・ノルマルとソルボンヌとENAの違い、階級による文化差、など恐らくご関心と合うと思います。幸い、『ディスタンクシオン』の解説も日本人が本やネットなどで書いてますので、wikiから先もそこそこ行けると思います。

ご紹介ありがとうございまする。ワシ浅学ながら、グランゼコール(ってどんな人が行くんだろう?)に以前より関心を持っているところでありました。秋以降時間できたら本を読みます😁。ありがとうございます😆

司書資格持ってるので、最後にレファレンスぽいことをしますが、訳者石井先生(筑駒出身ですね…)の『差異と欲望』が良かったです。近著に『ブルデューディスタンクシオン』講義』。日本への応用は竹内洋先生の本、例えば『教養主義の没落』など。得るものがありましたら幸いです。