歴史

アクチュアリティ、と、リアリティ・メモ

花田清輝の言うところの、アクチュアリティとリアリティの関係について。 アクチュアリティを、一応、偶然としてとらえ、現在の偶然を踏み台にして、過去の必然と未来の可能とを弁証法的に統一したものが、現実――つまりリアリティだ」というのが、花田の説。…

エリジウム的なるもの、の経緯来歴・メモ

世間的な評判や評価、風評なども含めたゆるふわな風向きだけに過敏に反応しなければおのれの地位が保てないと感じる――要はポピュリズムなんだろうが、そういう心性にとって、広報・宣伝に特化したように見える情報業者は皮膚のように一体化して貼りつくもの…

「詩人」の描写、あるいは解像力

ここ3年半ほどの間、手もとにある古書雑書の類と、そこから派生するとりとめない問いに関して求めて読むものをベースにして、あれこれものを考えることしかできなくなっているけれども、そんな老害隠居化石脳の道行きでも、いくつか何となく焦点となるお題の…

新体詩と戯曲、その他・メモ

口語自由詩があたりまえになってゆく過程で、方言をその口語自由詩に反映されてゆくことも一部試みられてくるのですが、ただそれを「朗読」する場合に実際どのように発音発声していたのか、まして標準語の話しことばと混在しているような作品の場合、とかいろ…

「詩」と「戯曲」「童話」の関係、その他・メモ

「詩」と「戯曲」「童話」の関係について。雑誌や同人誌に並べて掲載されるのが普通だった時代、どのように読まれていたのか。活字になったものが読まれる際、朗読されることとの距離感が、いまよりもずっとまだ親しいものだったこと。 「創作」というくくりが「小説…

エリジウムの作られ方・断片

暇空氏のやっていることは「ヘイト」「誹謗中傷」であるという前提のcolabo(および支援界隈)側と、住民監査請求はcolaboの公金処理等の疑惑解明のための「市民の正当な権利」という前提の暇空氏側との間で、見えている/見たい風景が全く違うわけで。 colaboの公…

「戦争」のジェンダーギャップ・断片

これ、例によってずっと前から言うとることでもあるけど…… 「戦争」って語彙を使う時に想定される内実、イメージでも何でも、それって、おとことおんなで実はまるで別ものだったりするところ、少なくとも本邦「戦後」の過程ではずっとあり続けてきているとおも。…

「大学」のあやしい人・メモ

昨今の「大学」という場に、年齢不詳、学生なのか何なのかすらあやしい、でも何となくそこらにいて妙な存在感はあるから、みんな「ああ、あの人」程度の認知はしている、といったような人物は果して存在しているのだらうか。 教室や校舎の中はうっかり立ち入れ…

中東問題の背景・メモ

もともと中東ではイラン(ペルシャ)とトルコという帝国の流れを受け継ぐ二大大国がある一方で、産油国になった弱小国が大金持ちになり力をつけるという出来事がありました。そこでオイルマネーでお金持ちになった産油国の支配者は、アメリカと組んで体制を…

単に二枚舌で恥知らず、なだけの「こんな人たち」

ここにきてようやく、と言っていいのだろう、本邦のフェミニズム界隈の近年、あまりにも常軌を逸したていたらくに対して、素朴な反感や違和感がまとまった形で表明され得るようになってきたようで、ひとまずそれは喜ばしい。 言わずもがな、のことだが、それ…

「批評」の行末・断片

いわゆる音楽評論、殊にある時期以降の商品音楽についてのそれは、文学や映画、マンガやアニメなど、いずれ大衆社会化が果てしなく続いているかのようなここ数十年の過程で、市場に手を替え品を替え登場しては消えてゆく「作品」ならざる「コンテンツ」を相…

焼肉屋、の原風景・メモ

x.com 牛角なんかができる前は基本的に油で汚れた白衣の日本語が微妙に怪しいおっちゃんやおばはんがやってる肉の黒ずみを蛍光灯に赤いセロハン通して誤魔化しているようなのが焼肉屋だったから中年以上の子供の頃から行ってるは自慢にならんな。 飲み会の焼…

西日本型都市、のこと・メモ

西日本に旅行客が多いの、「西日本型都市」みたいなのがあって、以下のものを兼ね備えてるのでは、みたいなことボンヤリ考えている。・お城・観光地の公園や庭園・空洞化してない中心市街地・アーケード街・路面電車/地下鉄に類するもの・市街地にある公立の…

「恋愛」「純愛」の「おはなし」化・メモ

「恋愛」というのが、どういうイメージ、どういう内実で最大公約数的に共有する/されるようになってきたのか、についての歴史民俗的な経緯来歴について、少なくとも戦後このかたの過程についてだけでも、あらためて言語化する必要ありかと。 男女不問で、そう…

氷河期世代の人生・メモ

【氷河期世代の人生】(1)圧倒的人口を誇る団塊世代(1947-50年生まれ)の子供として生まれる(2)1970年頃〜1982年頃に生まれる(大卒の場合)(3)親世代が人口が多かったのでこの世代も巨大な人口を持つ(4)親世代は言われた通り働いてれば給料が増え専業主婦も当た…

「キモい」ということ・雑感

「キモい」以下、昨今オンナさんがたの殺し文句的に汎用性が高くなっとる感のあるもの言い、そういうオトコを忌避する批評的もの言いという意味だったらそんなもの、いちいち実際に言葉にして明言せんまでも、個々のココロの裡じゃこれまでだってなんぼでもあ…

お妾さん、の生き方・メモ

お妾さん、2号さんと呼ばれる立場で子供を産み育て、人生を終えるまで生きた人のリアルな言葉を聞く機会は一般的にはほとんどないんだろう。ファンタジーや妄想の領域だからもてはやされる。「よいものだろう」と思われる。私は縁あって「そういう立場の人達…

「詩」と「詩人」の再発見、とか・メモ

何度かすでに似たような趣旨のことをボヤいたり触れたりしているけれども、ぶっちゃけ前世紀の活字/文字しか読まない日々を送るようになって久しい。「あたらしい」ものはそれだけで何か雑音、ノイズ、ものを落ち着いて考えようとする際の夾雑物になる、そ…

「歴史家」とクレーマー

どこかの郷土博物館だか民俗資料館だかの歴史学者の館長と、地元のいわゆる郷土史家みたいな御仁がバトってるらしい、という話。自分で調べてみないと何とも言えない。せめて両説の根拠となるところくらい書いてくれ。体験談で言うと「私の説を聞いてくれ」…

点と線、そして面への道行き・雑感

前世紀のもの、それも半世紀もそれ以上も前のものも当然に〈いま・ここ〉として読むような日々をずっとしてきていると、かつての雑誌に当時の無名の若い衆として掲載された署名記事が、昨今の情報環境の有難さ、検索してみると、のちに名のあるあんな御仁こ…

(ボクの大事な)「京都学派」という無意識

このNOTES、あまりナマものというか、Twitter空間などで敏感にあたりさわりそうなお題は、そのまま触れて出しでなく、走り書き程度に備忘録として記したのち、少し「寝かせて」おいてから、あらためて自分の裡で咀嚼して整えるようにはしてきているのだけれ…

AIと女性、性欲の変遷史・メモ

21世紀に入ってから、日本の女性はその存在価値を巡ってAV(アダルトビデオ)と激しく争い、男性の性的欲求の奪い合いをしてきた。2023年の今、生身の女性はその存在価値の存亡をかけてAIとすら激しく戦うことを強いられ始めている。今日はAIと女性の存在価値…

「美的判断の鋭い美少女」問題の来歴・メモ

「知的少女の神聖さ」なんだが、インテリのオッサンらがうっかりハマりやすい素地というのがあるんだわな。大正新教育運動の時期というのは心理学の興隆の時代でもあり…美学との関連で、うっかりすると「美的判断のするどい知的少女」を祀り上げやすくなった…

本邦人文系煮崩れの背景

いわゆる人文社会系、まあ、人文系とくくっておいていいのだろうが、いずれ本邦日本語を母語とする環境でそれなりの歴史的経緯と共に「そういうもの」として育まれてきた学術研究およびそれに付随するある〈知〉の拡がりが、ここにきてつるべ落としに本邦同…

「無法松の一生」について

*1 先日、三浦小太郎さんが、かつて自分の書いた「無法松の影」という本をとりあげて、えらくほめてくださっていたんですが、それを受ける形で、今日はその素材になった「無法松の一生」の話をしろ、ということなので、少しお話しさせていただきます。 というの…

獅子舞やめる?やめない?のこと・メモ

togetter.com 【文化が死のうとする現場にいて】 町内会のオッサン連中で獅子舞を存続させるか話し合い。 「秋祭りに町の全戸を回る獅子舞は若者たちが受け継いできましたが、人が減って壮年者も参加せねば存続できない状況になりました。私たち次第ですが、…

樺太、終戦時の記憶・メモ

先日お邪魔したご高齢のお客さん宅。色々な作業が終わって、お茶を頂いた時に、自分の出身を聞かれて、お客さんの出身も聞き返したら、ちょっと難しそうな顔になって、「北海道だけど、今は無い。」と。なので千島か樺太かと思い、「樺太ですか?」と答える…

「身を固める」ということ

「身を固める」というのは、それまでの「身」がふわふわして不定形なもの、「若い衆」時代であるという認識を前提としとったわけで、な。 世間に世帯持ちとなって生きてゆく段階になること、地縁血縁に世帯として責任ある立場になること、でもあったんだわな…

「むすめ」と「おなご」

「娘といってもみんな一人前にセナ担って仕事ができる者たちですから、力でも強いですよ。坑内の仕事は男と女の区別がないように何でもしますから、娘たちはみんなしゃんとした気分でした。どんなことにでも堂々と向かってやる、こい、という気概でしたね。…

いなか、の小金持ち今昔

ワイも田舎が嫌で都会に出てまた田舎に舞い戻ってるタイプの人間なんだけど「地方の小金持ちが文化や共同体にお金を出さなくなった」というのは確かにあると思う。ただその理由は小金持ち側にも庶民側にも双方あると思ってる。— 野瀬大樹 (@hirokinose) 2023…