雑感
書棚の本の並び方にも、その時その時の違いがあって、それは自分自身でも普段は意識していないのだけれども、でも意識的に何か整理しようとして変えた際だけではなく、何かひとつの仕事に関わっていたり作業をしている中で自然に入れ替えているうちに、少し…
「思想史おたく」と、かつて浅羽通明に言われて30年あまり。思い起こせば、その時ちょっと鼻白んだ記憶は確かにある。「思想史」と「おたく」という組み合わせが、その頃はまだうまくこちらの身に響いてこなかったのだ。 とは言え、大学の学部時代、教養課程の…
人文社会系の信頼回復のためには、まず、日本語を母語とする情報環境での日本の近現代、明治維新前後から現在に至るまでの歴史や文化、経済や政治、民俗レベル含めた生活史などについての語られ方そのものがさまざまな偏りの上にあることを淡々と自覚し認識…
「網羅する/しなければならぬ」という了見が気に入らない。*1 前々からではある。 ……いや、ここはできるだけ正確に言おうと努めた方がいいのだろうな。 そう思ってしまう理由がおのれの裡にあるのでなく、他人事である外側にあること。そう思わされているに…
JICA大炎上になっていることをめぐって、ゆるく雑感。 JICAならJICAで、中で仕事している人がたの中には、猖獗極めているゆるふわキラキラwoke大正義な「空気」や「ノリ」に違和感抱いてる向きもいるのだろうと思う。 でも、それは、JICA本来の、そして今も大き…
「人材」というもの言い、いつ頃から普通に使い回される語彙になってきたのかよくわからないけれども、人や才能に対して「育てる」「養成する」といった過程の認識がどんどん剥離していって、ただ出来合いの、いつでもそこにある便利な完成品としてだけとらえるよ…
今、人文系の研究者がおかしな本を一般書籍として出して、間違いから差別や分断を起こすのは、こう言った思考からだと思う。内容を確認しない。思い込みで否定する。周りも検証、校閲をしない、批判ができない状態に陥る。 pic.twitter.com/0rxcl43Dv8— やん…
参政党、マジでやべえなと思ったのは、次の選挙はもう参政党に入れちゃおうかな…みたいな気分に知らず知らずのうちになってること。ルックスの良いさや氏のような議員が「足りないのは財源ではなく愛情」とか言うのを見て、理性では失笑するんだけど、本能が…
家事という家の中にいる誰かの手によってしか行われず常時行われていないと家全体が停滞する大変な仕事を、自分以外のほぼ全員は「家事なんてチョロいのになぜ母さんはいつも忙しぶってんだ」というマインドで捉えている。家事労働そのものの疲れに加えて、…
「現実」というやつ、ことわれらニンゲンに関する限り、目耳鼻その他この生身の五官はもとより、それ以外の第六感だの何だの、しかと自覚も認識もできないようなあやふやな領域なども含めて、とにかく全部まるごと総動員して取り入れるさまざまな刺激や情報…
・映画『ソーシャルネットワーク』を見た70代の老人が「この映画に出てくるのは人間と人間の関係ではない、“組織の中の役割”で決まっていく関係だ、非常にindustrialized(工業化、産業化)された関係のように見える」と感想を書いていて、見た時は新鮮に感…
Z世代が言われたくない言葉10選です。①とりあえず3年は頑張れ②俺らの時代は○○だった③スマホでメモ取るのは失礼だよ④あたりまえ・常識・普通⑤若いんだから⑥いくらでも代わりはいる⑦それくらい自分で考えて?⑧わからなかったら聞いてって言ったよね⑨そんな甘く…
日本では「個人」が確立されてない、「自由」が認められていない、的なもの言い、確かに少し前までは「そういうもの」として「正しい」属性あらわすわかりやすいもの言いだったけれども、でもそれももう効きが悪くなっとるのがようやく世間一般にもうすうすバレて…
ChatGPTを検索と同じようなものだと勘違いして使っている様子を見かけてしまった。生成されたテキストの画像をソースとして引用している投稿があり、少し寒気がした。検索で出てくる情報がそのまま事実だと誤認する情報リテラシーの問題が、AI時代にはさらに…
いわゆる氷河期世代、自分が最初に大学に就職して、非常勤も含めてその頃教えていた学生若い衆らが概ね該当することになるが、当時の就職難についてその頃から怨嗟の声があがっていたことは、はっきり覚えてはいる。 ただ、同時にまた、その怨嗟の調子、「貧…
婦系図、からしてもう謎だろうしな……金色夜叉とか、忠臣蔵とか、いろいろ「一般教養」が失われつつあるわなぁ…… https://t.co/vFYVACHwnY— king-biscuit (@kingbiscuitSIU) 2025年4月14日 婦系図、からしてもう謎だろうしな…… 金色夜叉とか、忠臣蔵とか、い…
そりゃ日本画では、当時要求されていたような戦争画は、描こうと思っても描けんかった、あるいは少なくとも描きにくかったんやろなぁ……と。 日本画と洋画のそういう「乖離」は、良くも悪くも、旧来の定型詩(つまり和歌や俳句の類)と口語自由詩の間、あるいは散…
かつての民主党政権時代、マニフェストだか何だか能書きは忘れたが、とにかく声高に得意げに叫び回られていたあの「コンクリートから人へ」が、要するに「戦後スキーム」下の公的資金配分の仕組みのつけ替えだったことも、すでに世間にも察知されてきていて、…
いつの時代、どんな社会でも、ニンゲンである以上、程度の差はあれど「そういうもの」の中で生きて暮らしてゆかねばならんのよね。 で、それはその時リアルタイムではなかなか意識できず、見えないもの、だったりもするのよね。 その「そういうもの」が往々…
前にも触れたことがあると思うが、あの「キュレーション」というもの言いと、それにすでにあたりまえに含まれてしまっているだろう何らかの内実について。 つまみ喰いというか、いいとこ取りというか、とにかくおのれの裡にすでにできあがっている図式なり枠…
「専門家」「頭のいい人」「情報をたくさん持っている人」がたは、「正しい認識」を持てるかもしれない。それゆえに「専門家」としての値打ちもあるのだし、またそれゆえに世間からの尊敬や尊重も受けてきた。ただ、その「正しい認識」を世間一般その他おおぜいのボン…
「戦前」が「意外と豊か」という歴史認識、昭和初期モダニズム全盛時の都市部の世相風俗に特化して合焦するような習い性がここ四半世紀ほどで一般化したこと、それによって従来の「戦前/戦後」分断史観を相対化する「驚き」ともあいまってのことかと。 都市部の…
Twitter的なSNSの有難いところのひとつは、他人がどれくらいこちらの言うこと書いたことを、こちらの勝手な意図や思惑と見事にズレたところでどんどん理解していってくれているものか、をリアルタイムに日々思い知ることができるようになったこと。 それはと…
一連のポスト、「日本では文章の書き方を学ぶ機会」が学校の外にあるということをも踏まえると、「自由を与えられて一律の同じ内容しか書けない日本人が、山ほどの創作物を生み出してもいる矛盾」… https://t.co/MWYsrjYIlw— 加藤AZUKI (@azukiglg) 2024年12…
本は背表紙が命なんだな、ということを近年、あらためて思い知り続けている。 もう少していねいに言うと、背表紙とその並び、配列のしかた/されかたが大事、ということではあるのだが。 まあ、これもある程度以上、おのれがこの世に生きてある間にはとても…
分野は何であれ「学問」を志したおんなさんがたにずっと感じていた違和感があって、それは人文社会系限定かもしれないのだが、つまり「論文」的な文体やその約束ごとなど、言葉や文字表現についての「そういうもの」にどうしようもない反感や疎外感みたいなもの…
マスを相手取る、つまり「市場」をアテにするたてつけでの「報道」に、純粋に客観的な、というような意味での、唯一の「正解」は存在しない。 だからこそ、「言論の自由」 =free speach が保証されねばならない。 ただ、だからといって、比喩として適切かどうかは…
本は読むためにある。だから、読んでしまった本は手放す。売れるものなら売る、求める人がいれば手渡す、そういう人がいる。 同じ本を気にいれば何度も、時を経て後もなお、たまたまめくることになった程度でも、繰り返し読む癖の抜けない自分には、やはり縁…
【外科医の思い出】1/3外科医の第一線から離れると大学教授に正式に打診した時「君みたいな外科医を一人作るのは本当に大変なんだよ」と予想に反して悲哀のある様子で返答され、拍子抜けしたことを覚えている。なんでこんなことになったのかな…— 単身在宅医 …
小野十三郎の「抒情」についての認識、その他からとりとめなく極私的備忘。 彼の詩論の核にあるらしいのは、詩とは「抒情」である、ということがひとつ。で、その「抒情」というのは、言葉による表現としての詩の形式――韻文であったり朗唱であったりするような、…