中国が好きだった

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 2019年、中国での生活が始まった頃、心の底から中国が好きだった。この国にいると毎日着実に発展している実感があって、社会はポジティブな雰囲気に満ちており、人民も祖国への誇りと未来への希望でキラキラしていた。人々は素朴で明るく親切で、日本人の凝り固まった中国観にもどかしさをおぼえた。


 2020年、コロナが始まった。多くの国々が中国の初期対応を批判し、中国人に対する理不尽で過激なヘイトも見られた。人命を第一に考えた中国のゼロコロナ政策に自分は感銘を受け、同調した。有事の際は、中国の政治体制に優位性があるとも思い、自粛要請しかできない日本の対応を下に見ることもあった。


 そんな中、上海市のロックダウンが始まった。急激に自由が制限され、不幸に亡くなった方々のニュースを聞いて、心が蝕まれていった。優位性があると信じた中国の政治体制は一部の人々の犠牲の上に成り立つことを実感した。ロックダウンが終わり、何事もなく生活が再開した社会に違和感を覚えた。


 社会の雰囲気が明らかに変わったのは2023年頃から。コロナ後のリオープンは予想よりも弱く、不動産問題が経済の重石となり続けた。不透明な雇用と所得で内需は回復せず、経済の減速を肌で感じた。暮らしへの不満と将来への不安が膨張していき、2019年のような明るい前向きな社会は戻ってこなかった。


 自分を取り巻く環境が大きく変わったのは、2023年8月のALPS処理水の放出開始前後から。ネットには日本と日本人に対する攻撃的で過激な言論が溢れるようになった。SNSでそういう情報に触れるたび、心が死んでいった。そして2024年、蘇州市と深圳市の日本人学校で、児童が襲われる事件が発生した。


 明確な殺意により2名の尊い命が奪われた。それでも中国政府は、日本に対する極端な言論を是正しない。日本が人民の不満の捌け口であり続けることを願い、常軌を逸した言論を容認し続けている。一連の事件を日本の戦争犯罪と結びつけて日本に責任転嫁をする人もいれば、蛮行を賛美する人すらいる。


 もう限界だと思った。この異常な社会の現状は、どう理屈をつけても正当化できない。「善良な人もいる」それは分かる。中国人の友人たちからたくさんの優しさと愛情を受けてきたから。それでも、特定の民族へのヘイトを容認し、殺意を持って特定の国の子どもを襲撃する人がいる社会は、明らかに異常だ。


 そしてその異常性を認めない中国政府と一部の人民が憎くてたまらない。だけど、それでも、中国のことを完全に憎み切れない自分がいる。パートナーは中国人だし、困ったら家族のように助けてくれる中国人の親友もいるから。中国はすでに自分の人生の一部になって切り離せなくなってしまっているから。


 まだ今後どういう気持ちで中国と向き合っていくのか、考える勇気も気力も全くないのだけど、ぐちゃぐちゃになってしまった心を、荒みきったメンタルを少しでも立て直したくて、今の気持ちを文字に起こしてみた。いまはただただ、深圳で亡くなられた日本人の男の子のご冥福を静かに祈りたいと思う。

 共感しかない。身近な例ですがALPS水で狂った人民の狂気を呼び覚ましたと思う。今でもそいつと法廷で戦ってます。そいつは日本企業なので悪に手を染めているという妄想で有ることない事妄言を拡散し、会社に攻撃してきました。マジで狂ってる人が一部分いるのがやばい。

 中国国内景気の低迷期とALPS処理水放出が運悪く重なり、政府の思惑もあって人民の怒りと不安は全て日本に吐き出されるようになった構図だと思います。あの日から本当に全て変わってしまいました。裁判大変だと思いますが、心身ともに壊されないようお気をつけください。