「闇バイト」と保護司・メモ


 みんな闇バイト闇バイトって、どこか遠い世界の話のような感覚かもしれないけど、保護司やってると中々リアルに闇バイトの存在を感じる時があって、私が受け持ってる対象者に仕事はどう?って聞いたら「現場はちゃんと行ってます。あと闇もやってます」とか普通に言うからね。まぁ当然速攻で呼び出して、場合によっては警察案件なんだけどさ。


 で、一昔前の暴走族が珍走団って言われるのを嫌がるのと一緒で、若い連中はどう呼ばれるか"パッケージ"を大事にしてる事が多いから、ウンコ役バイトとか使い捨てポンコツとか、ダサい名前で揶揄ってやると結構すんなりやめるんだよね。よくわからんけど。


 あとやっぱり自分が使われてる仕組みを教えて、過去の報道から続けるとどうなるかを想像させる、そしてハッキリダサいよと伝える、この3つが体感的にはかなり大事。


 あと地味に効くのは、保護司側が月々の面会の時に対象者の友達(保護観察対象である事を知っている)とも交流して、わざと友達の前で「こいつ闇バイトとか言って使い捨てポンコツやった事あるらしいよ。ダサすぎるよなw」みたいに、本人と周辺環境に「闇バイトをするのは笑われるほどダサい」という意識を植え付ける事。


 これは、子供たちがトーヨコがカッコいい事であるように語り始めた時期に「こどもホームレス連合」と名付けてやった時もかなり効いた。「あ、君もこどもホームレス連合のお友達なの?」とか言ってやるとかなり効いた。もちろん日頃の信頼関係ありき、というかハッキリと上下関係を作れている前提だけどね。


 私が20代で保護司になった時は日本でも数える程しか20代保護司はいなかった。有村架純ちゃんの映画「前科者」でも少し話題になったけどさ。今は30代になったけど、それでもかなり少数で珍しがられる。


 保護司というとリタイア後のおじさんおばさんがやるもんだと思われているけれど、先に言った信頼関係・上下関係は、私のような若い保護司が「やんちゃなお前の気持ちはよくわかるよ」と同じ匂いを出しながら、先輩や兄貴分のような立場を築がなければ、今の若い子らは心を開きづらいと感じる。


 まとまらない話だけど、とりあえず闇バイトなんて呼ばずに「使い捨てポンコツ」とかさ、ダセェ名前で積極的に呼ぼう。仮に他に新しい名前が出できたって、彼ら彼女らが自分たちで使い捨てポンコツとの違いを説明するなんてめちゃくちゃダセェじゃん。


 保護司が出来るのはこのくらい。あとは世間全体、大人みんなで、それぞれの立場でどうにかしてやろう。クソガキどもを守ろう。あと若い人も保護司になろう。特に体育会出てる連中。一緒に保護司やろう。