一次創作と二次創作の関係、その変貌

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 「一次創作」の意味あいが変わってきとるんかも知れんな、と、ふと。

 商業ベースで刊行されたもの≒「一次創作」という意味が半ば自明に含まれとったところあると思うんだが、それが「オリジナル」という意味(まあ、もの言い自体としては本来そんなものかも知れんけれども)にだけ収斂していっとるような印象。プロ/アマチュア、という区分が感覚的にも溶解してきとるというのはあるんかもしれんなぁ。情報環境の変貌に伴い。

 ただ、どうなんだろ、「二次創作」には、いわゆるパロディなり本歌取り的なものなりの意味あいも込められとったと思うんだが、そしてそれが成り立つのは参照されとる「一次」の部分が広く知られているからこそ、だったはずなんだが、そういう意味は希薄化していっとるんかな、とかいろいろと。「広く知られている」ことが、何も商業ベースの刊行物を介してだけでなく、個人で私的にweb環境を介して可能になった、ということなのかもしれんけれども。

「二次創作」ってのは「一次創作」の「広く知られている」間尺を踏み台にして成り立つもの、ではあったと思うんだが、とりあえず初発の局面では。そして、「二次創作」そのものが「創作」として自立してゆく局面というのは、あり得るとしてもそこから先のこと、なんじゃないだろうか。

 web介した情報環境が既存の商業メディアを無力化してゆく、というのは、カウンター的な意味あいだけでなく、「情報発信」がフラットにオープンにできるようになることで「情報発信」自体の価値なり特権性なりがだだ下がりになって通俗化の海に溺れさせられるという方向でもあるんだろうな、と。「情報発信」すること、あるいは「創作」することなども含めて、いずれそれらの営み自体が「そんなもん大したこっちゃない」になってしまってきているらしいこと。良くも悪くも。

*1:とりとめない思考の断片なれど、備忘として残しておけば、どこかでまた何かのよすがになるかも知れない。