引っ越し屋今昔

 いまや、「アルバイト募集の手間省きます、電話一本で必要人数ご用意します」の中抜き大好きな日雇派遣会社が介入してきて、引越屋さんと日雇派遣バイトの子が一日限りのお付き合いになってしまった。


 引越屋さんからしてみれば当日にならないと、どんな人がくるかもわからない。日雇派遣バイトも作業の要領がわからないから、引越屋さんからしてみれば、たとえば、動きが鈍いとかイラつくわけで。ついつい言葉を荒げてしまう。日雇派遣バイトくんはふてくされてやる気なくす。双方にとって全くいいことないですよね?引越を依頼したお客さんから見れば、そんなやり取り見ているとその引越屋さんにクレームつけたり、次回から依頼しなくなったり、こうしてSNS普及してれば書き込みたくなりますよね。結局、日雇派遣会社の営業に乗ったのが悪いか、社会の制度が悪いかで、引越屋さんの業績が悪くなり、人件費削減でさらに日雇派遣バイト雇って、さらに業績不振という悪循環。


 服装のことばかり言うようですが、昔のラグビー部代々後輩を紹介していく時代は山田くんだったら「○○引越社 山田」と胸に刺繍のある作業着一式を「コスプレなどで悪用するなよ(笑)」で貸与してくれて、山田くんの管理で「金に困ったり暇だったり冬休みになったら電話しろよ」の世界でしたよね。


 いまや、日雇派遣会社との連絡がうまくいかず、「動きやすい服装」とだけ日雇派遣バイト本人に伝えられて現場に行ってみれば服装違反で帰らされて、別の人を電話一本で呼ばれる。または作業着一式をワークマンやホームセンターで買わなきゃその仕事に入れないという自己負担。


 大人の事情で引越現場で○○引越社のバイトであるということにしなければならない場合、その○○引越社の作業着を一日限りでも貸してくれるのは、「動きやすい服装」をせいぜい長袖ロンT・チノパン・スニーカーみたいな格好と解釈した人か、自腹でワークマンなどで買った作業着で来た人にのみ。


 そこで「○○引越社の案件100回入ってるからオレは偉い」とか、「日雇派遣バイトは埃と泥と汗にまみれた悪臭漂う作業着渡されるのに、オレ専用の作業着ある」「オレは日雇派遣会社に依頼かける前に、○○引越社の事業部長から直接勤務の打診がある」とほざく輩がいる。