なめるなゴジラ

 僕はリアルタイムで大体の昭和ゴジラガメラは観ている。


 じゃあ怪獣映画が手放しで好きだったのか?ならば、あまりにご都合主義のストーリーや画作りには「子供騙しもたいがいにしろ」でもあった。


 それで喜ぶ友達もいたが、ウルトラQからセブンを体現した身には「舐めるな」が、かなりあった。それは大人になってもずっと続いて、1984ゴジラで「おお!心を入れ替えたのか!」だったが、またズルズルとお約束になって行く。


 だから、1995年のガメラは心底嬉しかった。
 これ、こういうのが観たかった。


 怖い巨大なものがやって来る。
 逃げないと食われる殺される。
 そう思える映画だった。


 実は初代のゴジラを観たのは、ずっと大人になってからだ。


 伝説のように「初代は凄かった」と言われても、四国の田舎じゃリバイバルではやって来ない。再放送でもかからない。


 だから僕のゴジラの印象は、キョトキョト動き、ウケ狙いでシェーをやったりする何にも怖くない怪獣だった。


 30近くになってやっと観た初代ゴジラ


 なるほど「別格」だった。


 ゴジラもだが、ゴジラによって火の海になる東京。モノクロの大火災が恐ろしい。


 民衆の「ちくしょう ちくしょう」は、せっかく戦後8年かけて復興した街がまた焼かれていく。そんな壮絶な物語だ。


 これがどうしてああなった?