紙芝居とラジオ・雑感

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 紙芝居、子どもたちが熱狂したというのは総論そうだと思うけれども、戦前までのそれとは視聴の仕方(ヘンな言い方だが)が変わっていった過程もあるんじゃないか、とは思うとる。よく古い写真にあるように子どもたちがまわりに群がって熱狂というのは戦後のある時期以降顕著になっていったのでは、という当て推量だけれども。

 まあ、どっちにしてもマチの子どもら限定とは思うが、遊びの中でベーゴマからメンコに移行していった過程、とかそれに伴う「資本の原始的蓄積」感とそれに後押しされて「越境」してゆく頻度や度合いの変化とかいろいろ補助線引いてみながら考えると紙芝居の視聴環境も一律ではなかったようにおも。

 あと、関連してラジオのそれも、なあ。戦前の農村部ではラジオの音って異様に響き渡って聞こえたらしくて、それは昭和期になってからの新たな農村部の情報環境の経験として記憶されていったらしいんだわな。同じくマチでもラジオの聴取経験ってのも刷り込まれとったはずで、な。

*1:子どもと市場、メディアと関係、場などの問題。経済と共に、子ども自体がある意味「大衆」のアレゴリー的にうっかり理解されるようになっていったかも知れない過程なども含めて。「民俗」レベルでの子ども観と近代化の過程の接続面への問題意識とも関わるけれども。