警備員をやっていて分かったのはテイカー気質の人の見分け方。警備員をやっていると、道案内で質問されることが多い。周辺の地理に精通しておかないとダメなんだよね。で、1日に何度も通行人から質問されるわけだが、そのときの質問者の態度で分かるよ。私が道を教えた瞬間、目的は達したとばかりに
— キジバト(鳩通信班) (@kijibato_hato) 2024年3月9日
警備員をやっていて分かったのはテイカー気質の人の見分け方。警備員をやっていると、道案内で質問されることが多い。周辺の地理に精通しておかないとダメなんだよね。で、1日に何度も通行人から質問されるわけだが、そのときの質問者の態度で分かるよ。私が道を教えた瞬間、目的は達したとばかりにお礼も言わずに立ち去る人が結構いる。めちゃくちゃ失礼だよね。例えば、銀行の前に立っていて、近所の百貨店の場所を通行人から質問されたとしようか。この通行人は銀行のお客さんでもないし、私の利益にもならない。でもね、質問されたら答えるしかない。で、親切に周辺地図を取り出して説明する。
で、場所が分かったら、ありがとうの一言もなくサッと立ち去る。カチンとくるよ。「俺はお前の使用人じゃないぞ!」とね。でもね、これが定番なんだよ。1日にこういう人と何度も出会うので、もはや心が死んでいる。またか、という感じだ。中には丁寧な人もいて、何度もお礼の言葉を言って頭を下げる。
しかし、それだって、警備員を無料で利用しているわけだから、こちらの持ち出しなんだよね。あくまで、親切で教えている。はっきり言って、「今、警戒立哨中なのでお答えできません」と拒否してもいいんだよ。でもね、それだと揉めるから、親切で教えている。そういう経緯すら、テイカーは気にしない。
こういうテイカーは男も女も年齢差も関係ない。全く同数の失礼な人が存在する。唯一、礼儀正しいのは子供だ。子供がお礼の一言もなく立ち去るのはまずないね。ちょっと生意気な中高生くらいから、そういう奴が出てくる印象かな。子供の方がよほど大人なんだよ。
そいつの本質は道を聞いた時に分かる。
多分ね、職業差別も確実に関係している。「しょせん、ただの警備員だ」と思ってお気軽に話しかけられる。「お仕事中、大変申し訳ありませんが、お時間を割いていただくことはできますでしょうか。実は道に迷ってしまいまして……」などと接触してくる人なんて、まずいないよ。大抵はいきなり、こっちに寄って来て、「松坂屋ってどこ?」と言ってくるだけだ。繰り返していうが、私はこの人の使用人ではない。でもね、こちらは地図を取り出すなり、指を指すなりして、親切丁寧に道案内する。「なんでタメ口なんだ? しかも俺は仕事中だぞ。邪魔するな」と一喝してもいいけど、それをやったら最後、そいつが私の制服や名札を見て、苦情の電話を警備会社に入れたり、メールしたり、勝手にスマホで写真を取ってウェブサイトに送ったりする。クレーマーなんだよ。テイカー気質の人は悪知恵があって倫理観がないから、そういうマネをする。いちいち、会社に弁明するくらいなら親切丁寧にやった方がいい。
迷惑な奴っているのよ。警備員は警備業である前にサービス業であることを叩き込まれるのだが、それはこういうのも関係している。いっつも、傷つけられてもニコニコしていないといけない。もちろん、程度の悪いクソ警備員もたくさんいるが、普通はそうやってサービス業をちゃんとこなす。そういう仕事。
警備員は建物の顔、などと、よく言われる。出入口で警戒していたり、裏口の窓口で出入管理などをしているからね。だから、横柄な態度とか絶対に取っちゃダメだ。でもね、警備員なんて職業は薄給の長時間労働だから、ろくな奴がいない。そういう奴にサービス業を仕込まないといけない。で、前述したとおり、通行人などの客も大抵はクソだ。警備員をやっていると社会が見える、というか、人間はクソだよね、と思えてならない。もちろん、警備会社もクソだよ。労働基準法なんてどこも守っていないのが普通だからね。社会の底辺にいると、社会の姿が一番よく見えるもんだ。社会は醜悪であると分かるよ。