大学の現役進学率、過去最高に

 少子化+「ゆとり教育」+不況、で、大学の経営環境は間違いなく悪化している中、大学進学率だけはまだ伸び続けている、と。当然、大学の質の低下はさらに加速されて、その対応に現場は苦しみのたうちまわるうちに、「2018年問題」というカタルシスが訪れる、というシナリオですか、そうですか。

 質の低下上等、で中高での補修教育を「大学」の名の下に腹くくってやらかすか、「2018年問題」以降の状況をにらんで、質の向上と確保へ転換するか、さて、どっちの方向にバクチを打つのか、勝負どころですね。前者をやるには相当の人材とそれに見合った投資が必要でしょうし、何よりすでにそれら初年次教育システムの構築は先行してやっている大学が文系理系共にあるわけで。後者は本筋とは思いますが、この場合は現場よりもむしろ経営サイド含めた「辛抱」の戦略と覚悟が必要かと。

 何にせよ、小回り利かせた素早い動きが肝要でしょう。図体の大きな大学が動き出す前に先手をとらないとキツいでしょうね。以前から持論の「バカとビョーキの間をきちんと仕分け」が、生命線でしょう。

 文部科学省の学校基本調査によると、今春、高校を卒業した107万人のうち、大学・短大に現役進学した生徒は7年連続で増加し、過去最高の54.4%に達した。専門学校には15.8%が進学。一方で、就職した生徒は15.8%にとどまり、30年前に比べて半減した。


 大学進学率が上昇する背景には、少子化が進む一方で、新しい大学や学部が開設されているため、以前に比べて入試に合格しやすくなっていることがある。それに加え、就職難が、進学率を高める要因の一つになっているという。


 家計の状況が許せば、「大卒の肩書を得てから就活したほうが有利」と、子どもに大学進学を勧める親も少なくないからだ。特に、医療・福祉系の学部は、大卒と国家資格の両方の取得を目指せるため、人気がある。


 しかし、景気は混迷を続け、大学生の就職戦線も厳しい。「大学に行けば何とかなる」という思い違いは、まず親自身が正したほうがいい。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20101110-OYT8T00589.htm