やおい界の黎明期、回想

んで、同人界のやおい八割と、その他とは、ものすごく遠かったんすよね。そもそも存在も知らないくらい同人誌というとやおいだった人たち(地方の女子中高生が多い)んで、女子の文化だから自称も他称も必要無かったんすよ。なんか趣味同じよね、同じアニメ好きだよね、でもファンでもないな?ていう。


普通に人形遊びする女児の集団がいたとして集団内の子が自他をチームとして名乗るかというと名乗らないのと同じですね。変わった子、なんか合う、だけで通じるから呼称が必要なかったんすな。しかしそういう子なんで、が通じない人には説明が一言では出来なかったのはありました。


オタクとか言い出したのエヴァくらいか早くても幽白くらいからじゃないかな、女性向けサークルの方には男性ほとんどおらんかったですが、たまに身内を連れてくる人はおられて、会話中に呼び方に困ったことはあっただろうから、腐女子以外の女性の同人さんを仮の呼び名として女オタクと呼んだくらいかと。


だから創作同人は各自が体感として自ジャンルしか把握してないから、様相が違うのにメインストリームと名乗りたいひとたちと邪魔されたく無いから引っ込んだひとたちがいただけで、たまたま目立ったのとそれに耐えた結果、外向けのオタクとはこうだ像が出来て、その後はそれ目当ての人が出ただけすな。


多くの人は自ジャンルしか見てないので、外から見てのオタク呼びの正統性などは、むしろそんな関わり方をそもそもしてくんな趣味の邪魔だ的な扱いだったんすよね…腐女子はオタク呼びの更に後で商業BL出たくらいと同時です。


性癖てのもさらにここ最近の話ですね、SNSが普及してからではないかと思われます。なお田舎の女子中学高校生はコミケなんか行けないのに部活からアニパロコミックスやファンロード見て兄弟姉妹の繋がりから同人誌むりくりこさえてたから、コミケ大手の本すら存在から知らないか買ってないという…。


かなり爆発的に広がった時期のある文化なので、観測地域で見えてるものがすごく違う。


にも関わらず女子たちの動きはメディアに添ってたから地方同士でもわりと揃ってたフシはあって(出身地が違うのに同年代ならだいたい同じものを読んでたり見てたりする)そこはオタクとは呼ばれてないんすよ。


なので女子側にはオタク呼びしあってないけど二次創作同人誌に関わったり関わってる人に関わった体験を共有して共感できる人がめちゃくちゃ多いんすよね。


しかしオタクてのはそこの体感からすると、男性かつ大人かつ都会の人なんすよね、概ね…だからオタクが蔑称たり得た訳で。


二次創作同人少女になるより、オタク男性である方が社会的にハードル高いんすよね、なんせお金と場所と人脈要る上に結構な気構え要るわけで。そんだけだと思いますが、二次創作同人少女たちは数はめっちゃおったんすよ、コソコソしてたり読み専だったりしただけで…


また女子は結婚したら趣味は引退みたいなイメージもあり結婚してない女性の方が食い詰めると世間が思ってるのもあるから、その時期しか出来ない趣味かつ残らないか親や世間に見つかりにくいものにぶっ込むわけで、オタクのモノ集めよりも集めるものが、まだ隠しやすく始末しやすい方向に行きやすかった。


となると、オタクレッテルを表立って貼られて平気な女子あんまし居ないかタイプが決まってるかそれでメシ食うと決めた人のどれかに分かれて、大多数はこっそり小さい範囲でやるよねっていう。プロの少女漫画家すら結婚と育児でその頃は引退してんだし。たまたまその後諸々片付いて帰ってきてるだけで。


また創作同人女子にも各年代あるから、結婚引退する前に世間的に婚期そのものが急に伸びてほぼ消滅してきたり、普及率とデバイスとスキルからも結婚妊娠出産と同時進行可能になっちゃったりしてきた頃に腐女子とかいうワードが元同人大手のプロデビューと前後して出てきてたりするから、あとから見たら、あの頃の同人女子たちは、いま思えば腐とかオタクよね…て話になってるんで、現場にはむしろ女性アホほどおったし男性と会場違ったしなんならオンリー同人イベントには男性いても会場管理のお爺さんくらいよ的な。男女混合イベントの方が地方では珍しいくらいてかコミケが特殊いうか。


同人界隈のイベントはコミケの縮小版ばっかりとかコミケしかイベントが無かった訳ではなくて、全く様相が違った、てのもあるのでは、ていう。当時からオタクなら自ジャンルしか興味なかろうし交流ないし、それこそがオタクなんだし、ていう…そこに聞いても女性はそらほとんどおらんやろそれ、って…


だけど今から見たオタク文化圏の中にはやおいも腐も含むなら、そらほとんどが女性すよ。オタクと創作同人誌とをジャンルとして分けてないからですな。かなりの数の自分が関わった女性側から見たオタク文化はほぼやおい同人誌の話だから女性しかおらん、男性とくにフィギュア界隈から見たら男の世界と。


また体感でそんな全体に関わって俯瞰とか地方の一中高生に出来ない訳だから、しかも自分たちに呼称がなくて、近いけど違う表現ジャンルがオタク呼びされてれば自分はオタクと呼びにくいよな、になるんすよね。我こそはオタクだとか言う人の方が珍しい…


同人誌出すタイプとフィギュア買うタイプとフィギュア作るタイプとコスプレするタイプは個人としてかぶることはあっても作業内容ちゃうからタイプもちゃうやんかと。当時の女子中高校生で同人フィギュア買って更に自分も作るとか、コスプレやる子より更にレアではなかろうか。


コピー誌の前にコピー便箋とプリントゴッコでグッズとか手描き色紙とかスケブとか、少し後にラミカと缶バッジでオフセット印刷すらバブル期でも親にお小遣いが使わせて貰える子くらいよ的なんがお姉ちゃんの居てる子が留守番しとるサークル前でワーキャー集まってる偏ったフリマみたいなのが多かった筈。


そんな子が自身をオタクと当時名乗るか言えば、オタクて言葉が一般化した今ならまあオタクの範疇よねとして、人にオタクでしたと説明するよねくらいだけど、その場に居なかったわけではないからねっていう。


例えば地方の貸しスペースで女子高校生や女子大生主催のオンリーイベント(当時そんなんも割と多かったはず)にオタクらしい男性まずおらんですからして。身内かスタッフならともかく来られても困るし、来る気も無かろう…ていう。交流がほぼない。同じ本屋に行っても遭遇しないかお互いに認識してない。


そら、そんな人ら双方にオタク活動どうでした、つうたら、そら…。


あとコミケに何で女性が居なかった話になってんのかてのも、もしかしたら「俺の(すごい狭い)視界には居なかった」の可能性見た方がエエのでは。ていう…つまりその場にいた女性に話聞いたらエエだけの話やったんちゃうんかい、て。


オタクは気質のものなので、男女関係なく発生しうるけど、世間体で矯正受ける確率が男女で違うのはあるから、はとくに当時の事実ではあるんですけどね。


あと私個人で言うなら、男なのに同人界隈いてる人はだいたいサークルさんの身内で、別に当人は本とか出してない、て認識でした。なんでかおる…て感じで、女子中高生の大人男性に対する体感は基本がそれです。側に男性がいてる場合は普通はなんか理由がある。基本誰かの身内。本屋ならそこの客ですな。


それ以外で女子集団にやたら近い人は不審人物だから、怖いんすよ。注意しろとも言われとるし。だから交流ないのが普通なんすよね、さらに女性だけの集団の方が安全だし、二次創作でイベントやる側も、だいたい男性はそもそも来ると思ってない、来たらみんなでおっかなびっくり会議くらいのもんですよ…


オカンにバレたら止められるかも知れんし、しかし引っ込みつかないしみたいな板挟みで下手したら寝込むくらいの大ごとになるから、みたいなくらいキャパオーバーだから、接触避けるしそんなだから同人女子やっとる訳でみたいな。そうでない子もそういう子おったら配慮してそっちに合わすし。と…


そしたらオタク男性の方も女性で見かけるタイプは限られてくるし、お互いに接触することがあるか言われたら、たぶんどっちも本来の所属の幅ギリギリのイレギュラーだから遭遇した、みたいなケースでないかなっていうのは思います。