モーリー・ロバートソン無惨

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 まあ、日本育ちの「ヘンなガイジン」としては、最もトンガっている(死語か)ひとりと言っていいだろうモーリーの、何かのはずみでうっかり毛穴からダダ漏れになるこういう無意識・無自覚なサベツ意識というのは、何というか、まあ、いろいろと趣き深いものがある。故ナンシー関、の佳作を謹んで貼らせていただいた次第。

 ただ、若干のコメントまがいのものをつけておくなら、「親日的ガイジン」の系譜で、それこそかつてのドナルド・キーンに代表されるような独特の距離感と穏やかさ、少なくともこちとらポンニチ土人のポンニチゆえの違和感や反感の類をうっかり表出させてしまうような不手際は絶対にしない、そういう種類の「いいガイジン」のありかたからすると、このモーリーの「親日」身ぶりはひとつ、それまでとは違うところから出てきていると思う、良くも悪くも。

 日本に興味や関心を持つ、その上でなお親しさやなじみやすさを感じるような「ガイジン」、特に戦後わかりやすく見えるようになったアメリカ出自のそういう人がたの「そういう感じ」とは明らかに違う。それは単に個性によるものでもなく、世代というだけでもなく、何か本邦のありかたの変貌と即応した何ものか、が先方「ガイジン」(と敢えてひとくくりにしておく)の側にも胚胎してきているのだろうな、というあたりまでは何となく推測できるのだが、〈そこから先〉はまだ、いまひとつよくわからないままなので、要審議お題として。

*1:2018年のtweet群がいまごろまた論われるようになっている、そのこと自体も興味深かったりするのだが、それはそれとして。