デジタル化布教の現場

 カフェでiPad広げて作業してると、時々「それは何?」と声かけてくるご高齢の方がいらっしゃる。最初は物珍しいのかなと思ってたけど、質問の内容が「どこの製品か」「漫画家全体のシェアはどれくらいか」という話になったから、今日は思い切ってこっちも聞いてみた。絵を描くのお好きなんですか? その方は、自分は建築家だと仰った。大きな図面を机に広げて作業するのだと。


 最初はデジタルなんて…と思って手を出さなかったらしい。けど、小さな画面内で拡大縮小しながら線を引けるなら便利かもしれないと、こちらの様子を見て思ったんだと言った。


 「これはiPadです。専用のペンで描きます」というと、「ああ、ジョブズさんかあ…なるほどなあ…」と感慨深そうに唸ってた。それからiPadの値段とかどこで買えるかみたいな話をしてたとき、ふと、「あっこの人この後iPad買うぞ??会社とかで新人向けに大量に導入するつもりでは??」デジタル否定派だと言ってたおじいちゃんだったけど食いつき方がすごかった。


 「仕事ができるカフェがあって、その小さなタブレットがあればどこでも仕事ができるんですねえ」と頷いてたので、そうですって言った。生活の中での「ユーザーによる商品の実演と質疑応答」がこんなに人を動かすきっかけになるとは思わなかった。


 これぞクチコミの真髄……


 補足。当方、イラストレーターで普段カフェなどで作業したりしてますが、一応、他人に見られても特に問題ない部分しか外ではやりません。……ってことを言っとかないとダメな気がしたので、補足でした。


 カフェとかコワーキングで知らない人に「画面に絵を描けるの!?」って話しかけられるの、結構好き。