知床観光船事故の背景

 知床 観光船の遭難
 KAZU Ⅰって、昔、瀬戸田にいた、ほうらい汽船のひかり8号なのね。。。今治出身なので、私も見覚えあった。写真で見ても完全な瀬戸内仕様の船。外海走る船ではないです。まあ、バラスト積載、小型船舶用の救命浮器積んだりそれなりに改造して検査を受ける。


 で、小型船舶検査機構の検査が通れば、限定沿海仕様にはなるんだけど。基本は平水というか瀬戸内向けなんですよね。3mの波の中をやれる船ではない。しかも40年近く経っていればFRPの強度も永久ではないので、加水したりして落ちるし、また修理した箇所は、車のボディと一緒というか、モノコックシャシーやボディが潰れたら元通りに戻らないのと同じで、元の強度はなくなります。これは、FRPの高速漁船を持っている漁師さんや、ある程度の観光船を運航している会社なら常識です。そりゃー見た目なら元通りに、もちろんなります。


 なので、アルミの高速艇や漁船を使用すればいいのですが、コストやメンテナンス性を考えるとFRPになるんですよね。メンテナンスがしっかりしていれば、アルミの旅客船はいいですよ。瀬戸内海汽船の瀬戸・和加なんかも相当年数経ってますが、現役です。30年以上経ってます。


 業務用FRP艇でも、3ヶ月に一回は上架して船底塗料、タッチアップとか点検していれば、10年以上経ってもきれいです。今治市の、せと観光ボート せとひめ、ゆきひめ、せとゆきのせとシリーズとか。


 アルミ艇、FRP艇一長一短ありますが、細目なメンテナンスが必要ということはかわりません。


 やっぱり気になるのは、瀬戸内仕様の船を外海で走らせる危険性というか、んーなんて言うんでしょうね、感覚の問題なんですけど、乾舷も低いし、そんなに復元性能だって外海ほど必要ない船を走らせるリスクというか、やっぱり感覚がわからない。


 日本小型船舶検査機構も検査は、もちろん検査はやっていると思いますが、設計の基準とのバランスが少しずれてるような気がします。なので、幅狭く細長い遊漁船が沢山できたり、定員を増やす為の、出どもの不細工な観光船が出来たりする訳です。


 この事故を契機に、以後色々なことが見直される筈でしょう。というか見直さないといけません。観光船、通船、作業船、遊漁船業者は混乱するし、小型船舶の行政を司る日本小型船舶検査機構(JCI)も大変になると考えます。


 連絡手段だってそうです。アマチュア無線使用してたとか報道でありましたが、なんで、アマだったのか?おそらくですが、国際VHFの機器、免許、検査等の費用を考えるとアマに走ったんでしょうね。まあ、衛星船舶電話はあったようですが、こちらも電源が喪失していたら使えないし。


 また、GMDSS機器を装備すればいいじゃんという声もありそうですが、結局そこに、かけられる費用の問題で運航会社であるとか船員さんの無線従事者免許の問題とか解決していかないといけないところは数多いかと思います。


 レジャー用クルーザー等は定員12名程度に落として、膨脹式救命いかだを積めば小型船舶でも海外に行くこともできます(機関長必要)が、今回のような国内の外海に面した場所での観光船についても何らかの見直しが必要かと思慮します。定員落とすと、また団体のお客さんとかが乗れないことにもなりますが。


 この事故は、本当に他人事ととても思えませんので書いてしまいました。父親も私も海の仕事。同じく生業としている方と同様に私も事故後いろんなことを考えてしまいます。救助に携わって頂いている海上保安庁を始め、各自衛隊、組織、関係者全ての皆様には本当に頭が下がります。


 そして、まだ救助されてない方々が早く見つかることを心より願っております。


1000超えたら自己紹介?せよと。。。
海が生業の只のボート好きです。
船勤務30年過ぎました。
父も60年は乗ってます。
祖父は海軍
船、ボートに関するご質問はDMで承ります。