コンサルの弊害

 事故を起こした遊覧船会社とコンサル会社の繋がりが話題になっている。
 私が以前働いていた社員食堂も、コンサルを使い9000万円かけてカフェ部門を改装した。そうしたら、若い女性向きの店舗にされ、客の注文を聞いて従業員が盛り付けるサラダバーを設置。


 若い女性は、そもそもお金を使いたくないので飲み物ぐらいしか買わず、今まで来てくれた中高年客は内装がオシャレすぎて来づらくなり、外資系の外国人社員は中途半端な洋食なんか食べずで、結局客が遠のいた。ランチタイムに人に盛り付けさせるサラダバーも、効率が悪く不評だった。なぜそうしたんだ?


 どうやら、集客力を増やす相談をコンサルにすると、若い女性にウケるものを提案されるという。昔、経済右肩上がりの時代には、若い女性が飛びつくものに他の人々が飛びつき、集客を見込めるという定石ができた。しかし、今の若い女性は、昔ほど自由に使えるお金や時間があるのか?その定石は疑わしい。


 そして、私の配属部門の和食店が激混みになった。
 カフェの改装ついでに、和食店の食器が変えられたが、トレーは滑りにくく安全とは言われたものの、少し傾けると味噌汁のお椀がひっくり返るという代物で、それを指摘しても、パート従業員の話なんか聞いてもらえなかった。そのうち客が火傷するぞ!


 ヒヤヒヤしながら仕事してたが、そのトレーは重くなり、取り扱う私は、テニス肘のような症状になり、ボタンさえはめられなくなり辞めてしまった。いや、客に火傷させる前にさようならだ。
 先輩パート従業員の方々には、非難されたな。でも、パート収入が医療費に消えたら意味がない。


 コンサルの提案は、社の偉い人しか知らされないようで、支配人さえ知らなかったようだから、支配人もまごついていたぞ。コンサルって、現場の人間は手抜きとサボりしか考えないから、現場の意見なんか聞いても無駄だと経営陣に吹き込んでいるのか?


 会社が倒産する兆候に、経営陣がコンサルに盲従するというのが、昭和時代のビジネス書にも書かれていた。令和になっても変わらないのか。