インディーズ老人ホーム&福祉士のはなし・メモ

 80は超えてるであろうBBAが、玄関を勝手に開けて中を伺ってくる。
 パンツ一丁で問いただすと「隣に住んでるのだが、良く解らなくなって開けて見るんです」というが、隣人は老婆ではない。
 取り敢えず錠をかけたが、数分後にまた開けようとしている。


 ・盗人
 ・霊界からの死者
 ・アルツハイマー


の3択で迷ったが、ボケ老人だったら保護してもらった方が良いので通報。


 結論、予想通りボケ老人の徘徊であった。
 驚いたのは、近所のやけに活気の無い不思議な間取りの小さなアパートが、インディーズの老人ホームだった事である。


 住人のかなりの部分が耄碌しているが、一人シャキッとした老人が居り、他の住人の携帯を預かったり、家賃保証人になったり、徘徊時の身元引受をするなどの、インディーズの福祉を行っているらしい。これから日本中がこのようになっていく、いや、もうなってしまっているのかも知れない。


 しかし、このインディーズ福祉士が崇高な善意によってそのような活動をしているのか、なむにやまれぬ経緯があるのか、はたまた何らかの裏が有るのか、気になるところである。取り敢えず電話番号を交換した。