政治と宗教(団体)と秘書の関係・メモ

 「政治家の妻」として参加した勝共連合の会合で拒否感を抱いた私ですら、政治家となった以降もそこそこの数の宗教団体に顔を出している。党への活動報告書には「主な支援団体」を記入する欄もあり、反社会的団体でない限り、宗教団体ともむしろ濃い関係を築いていることは政治の世界では是とされる。


 宗教団体の方もある意味慣れたもので、政治家本人が信者の集会や修行に十分に通うことができないと見た場合は、配偶者や秘書さんを派遣してくれと言ってくる。たいていの事務所はそれぞれの団体に担当秘書さんをつけて、対応しているというのが現実だと思う。


 そもそも、宗教団体等に所属している人を秘書さんを雇っているという政治家もいる。それぞれの宗派で違うお作法も含めて慣れているし、人間関係も把握している。そこを押さえた秘書がいれば、メンテナンスが楽と考える政治家もいるだろう。


 一般的に言えば、秘書に採用するのはその団体の政策実現のためにと言うよりも、単に便宜上という理由の方が多いような気がするが、統一教会の場合は違うのかもしれない。その辺は、今後明らかになってくることだろう。


 ちなみに、選挙前やお正月になると、宗教団体等の行事にはいつもは来ない政治家も党派限らず勢揃い。皆「頑張っている自分」のアピールのためにFBやブログに会の様子の写真を載せる。政治家たちが日本列島の津々浦々で同時刻同じ行動をしているのを見ると、なんだか不思議な気にもなる。


 こうして皆、吸い寄せられるように会合に参加する理由は単純だ。「相手候補も行っているから」である。町で見かけるポスターも同様なのだが、相手ががんばっているとこっちもやらないととやかく言われるし、「相手以上に頑張らないと勝てない」という強迫観念でどんどんエスカレートしていく傾向がある


 こうした宗教団体と政治家の関わりは大抵同僚や先輩議員の紹介(紹介議員にとっTも得点加算になる)だ。
 気が付けば、事務所中に「おタスキ」や「数珠」、「バッジ」や「勾玉」やらがあふれることに。


 今現在の宗教団体等へ新規参入の状況もさほど違いはないとは思うが、少なくとも1980年代〜90年代に政治活動を始めた若者たちにとっては、宗教団体と生命保険(←実は、これも金銭的にかなりキツかった)への多重加入は政治家として受ける洗礼の一つでもあったとも言える。