70年代の朴正煕政権時代にソウルに行った事がある。父が単身赴任し、東大門近くに下宿してた。家族で遊びに行って、オンドル効いた部屋に泊まった。下宿のおばさんは日本統治時代の経験者で日本語が上手で、とても親切にしてくれた。辛いの食べられない私達の為に美味しい味噌汁と卵焼きを作ってくれた
父の下宿には風呂が無かったので、近くの銭湯にお風呂入りに行った。ソウルは銭湯と教会が沢山あるんだなぁと子供ながら思った。銭湯にいったら、見知らぬおじさんやお爺さんが日本から来たのかい？サウナ入るかい？とか、久しぶりに日本語使ったよとか、話しかけてきた。
当時は韓国に引っ越すかもしれないからと、韓国語を勉強し、挨拶とかちゃんと言えるようにしてソウルに行ったので、挨拶したら韓国語勉強してるのか、嬉しいなぁと言われて、とても親切にされた。あの当時の父の友人一家とは、父の死後も親しく交流あるが反日とは無縁。教育は恐ろしいと思う。
その後ウチはフィリピンに引っ越し、韓国とは疎遠になったが、マニラでは自宅近くに馬山という韓国料理店があり、大阪出身のおばさんがやっていた。在日でもないのに韓国語話す変な日本人の父はこの店の常連となり、よく食べに行った。馬山のカルビチムは絶品。その後、同じ味を探したがどこにもない。
私は名付け親が台湾人なので、台湾も馴染みがあるが、韓国でも台湾でもフィリピンでも、日本の侵攻・統治について多面的な見方をする人が多かった。何事も単純でないし、立場によって見え方も変わる。教育で植え付けられた、実体験の裏打ちのない知識の方が単純化しすぎて暴走しがち。危うい香りがする
日本の統治を経験した人の方が、反日教育を受けた世代よりも、日本に対して是々非々で理解があるなら、教育内容が偏っていて事実よりイデオロギーが優先されている、ということでしかない。
作られた歴史が一人歩きし、真実が闇の中に消えていくのは、直接当事者の話を聞いた者の1人として残念に思う
私は自虐史観に反対だが、日本がアジアを解放したという正当化にも与しない。戦争に正義などない。味方も敵
も死ねば家族は悲しむ。
戦死された方は国を護る盾となって尊い犠牲を払って下すったが、そもそも開戦しなければ死ぬ必要はなかった。安全地帯で開戦を決めた指導者達にこそ一義的な責任がある
アジアでもアフリカでも他人の土地を勝手に植民地にして、奴隷にしたり、モノカルチャー経済化して支配した欧米に人権先進国づらする資格なんてないし、日本だってアジア解放といいながら欧米列強の真似してた訳で、昔は他のアジアの国への偏見や差別は酷かった。不都合な事実から目を逸らしちゃいかん
80年代、フィリピンから帰国した時、日本の学校でよく、お前の母ちゃんダンサーか、フィリピンに帰れ、と虐められた。フィリピン人の子は日本でこういう差別を受けるんだな、と思った。私はフィリピンが大好き(今も好き)なので、自分の祖国にこういう目で見る下品な人がいる事に、とても悲しくなった
一方で、マニラで知り合ったフィリピン人のおじさんからは、日本の兵隊は確かに酷いことをした事もあったが、立派な兵隊もいたよ、日本人は真面目だし、約束を守る、とも聞いた。嬉しかった。
真面目で勤勉で、白人支配に対抗して、アジアで最初に近代国家となった日本に生まれた事を誇りに思った
大戦前、フィリピンにいた日本人は現地社会でとても尊敬され、信頼されていた。戦争で列強は追い払われたが、戦争につきものの庶民レベルの悲劇で、個々の日本人の生活基盤、信頼はぶち壊された。
戦後の日本人が勤勉に努力し、日本人は信頼できるという評価を再び定着させて汚名返上した事を忘れない
韓国・フィリピン、アジアと日本
