西日本型都市、のこと・メモ


 観光客が多い場所と地元民の生活エリアが東京よりも近接している西日本の大都市(京都とか広島とか)でオーバーツーリズムの問題がより顕在化しているのもよくわかる気がする 上野浅草が基本的には生活エリアではない東京感覚だとこのへんが分からない

 そもそも絶対数としてインバウンドは西日本に偏っているのだが、西日本の都市はロードサイドではない中心街がしっかりしてるところが多く(だから路面電車が多い)、そういうところに外国人観光客があふれるようになると「生活世界が乗っ取られた」みたいな感覚になるんだろうな

 西日本に旅行客が多いの、「西日本型都市」みたいなのがあって、以下のものを兼ね備えてるのでは、みたいなことボンヤリ考えている。

  ・お城
  ・観光地の公園や庭園
  ・空洞化してない中心市街地
  ・アーケード街
  路面電車/地下鉄に類するもの
  ・市街地にある公立のミュージアム

 東日本でこれらの条件満たしてるの、東京以外だとたぶん名古屋仙台だけだが、西日本だと百万都市以外でも那覇、鹿児島、熊本、北九州、岡山、松山、高知あたりが満たし、次点で富山、高岡、金沢、福井、大津、姫路、高松、福山、大分、長崎、宮崎あたりが控えている。

 西日本型都市は新幹線や空港バスを降り立った瞬間のワクワク感、車なしでいろんな選択肢がある楽しみが大きい。
人口66万人の県の県庁所在地に過ぎない高知が、似たような条件の秋田や甲府と比べて明らかに観光客目線で楽しい街なのは、西日本型都市だからだと思う。


 西欧の旧市街がある地方都市(ユトレヒトストラスブールみたいな)に日本で対応するの、ずばり西日本型都市だと思う。再開発やハコモノで一朝一夕にしてできるものではないが、何が熊本や松山を都会ならしめているか、みたいなことは考える価値がありそう。


 というか特異な封建制のなかで市民が自治をして石造りの街並みをつくってきた西欧の尺度をそのまま日本に当てはめることは土台無理があり(それこそ今に残るまともな「都市」が今井町だけになってしまう)、西欧社会の都会的なものに相当するものが本邦では何か、を考える必要がある。


 それって単に建物やハコモノがあるというのではなく、城下町、山車を出すような町衆文化、市電や地方私鉄、地方百貨店、商店街や地元の飲み屋街だったりする訳で、ここ数百年間そうしたものが蓄積してきた有形の結果が西日本型都市なのかもしれない。


 あと「西日本型都市」、肌感覚として地方出版が結構盛んなんですよね。この前鹿児島行った時は信じられないほど地元の出版物が充実していて驚いてしまった。

 西日本型都市は新幹線や空港バスを降り立った瞬間のワクワク感、車なしでいろんな選択肢がある楽しみが大きい。
人口66万人の県の県庁所在地に過ぎない高知が、似たような条件の秋田や甲府と比べて明らかに観光客目線で楽しい街なのは、西日本型都市だからだと思う。

 その西日本型都市、実際には西日本型小都市だと思います。東京を含めて東日本の都市は西日本のそれとは地域の経済史が全く違うのでその地を征服した西日本勢力が西日本型都市の移植を試みても、最終的に出来上がる町割りは西日本のそれとは異なる、田舎の街道筋の町並みの密度を上げたものになります。

 西日本型都市、古くからある街に加えて戦時中に大空襲食らってなかったり空襲後の復興がある程度原型残した復興だった街とかが多いのかなと。東日本型都市は戦後の都市化の進行や復興時の都市大改造で原型留めなかった街が多い印象。

king-biscuit.hatenablog.com
king-biscuit.hatenablog.com
king-biscuit.hatenablog.com
king-biscuit.hatenablog.com