地縁と商売・メモ

 夜中に子供が高熱だしたら町医者叩き起こしてでも診てもらえるように、酷暑にエアコンがぶっ壊れたら無理言ってでも電気屋のおやじに早く来てもらえるように、昔の人はあの厄介で無駄に金のかかる地域共同体を維持してきたのだ。ぱんなこさんの好きな言葉でいうとトレードフやねえ。グローバリズムが反転すれば地域の絆に嫌でも頼らざるを得ない。そりゃもちろん功罪あろうが好き嫌いいうてもしゃあない。反動ってのはそんなもんだ。


 地縁なんてものがない都会のよそ者たちはどうするかと言えばおそらく企業の方で「囲い込み」を用意するのだろうね。アマゾンプレミアムみたいに「納税」すればこんだけのサービスがリターンされますよみたいな形で。入れない者は疎外され個別に高い物を買わされる。今でもよくみる光景だ。そりゃ俺だってアマゾンに毎月数万は払っとるからなくなったら困るしなくならないと思うが、「アマゾンの送料無料は労働者の血を吸ってできているのだ」言われりゃその通りだと思うからな。


 ウーバーというのはどうしても機械化できないラストワンマイルの経費を企業や労組に叛乱されないように底辺の個人請負に投げるといういかにも「悪鬼が考えたようなシステム」であってな、あーいうのこそマルクスの言う疎外であり規制が必要。何でも安けりゃ良いってもんじゃないきちんと対価を払うのがお互いの益になるという商道のイロハを言える経営者がおらんくなったのがいかんのだよな。