ネオリベ&ポピュリズムの素地としての「分断」

 朝日朝刊の3面にもかかわらず全然話題にならずひっそりと流れていった記事だけど内容はけっこうエグい。有料会員じゃないと読めない仕様になってるんで要約すると

 「朝の妖精さん」といえばかわいいけれど実際は…
 働かない中高年層への冷たい視線。至るところに分断が起きています。
asahi.com/articles/ASM9S… #老後レス時代

 場所は大手メーカー、フレックスタイムを利用して朝6時ぐらいから出勤し日暮れ前に帰る50代以降の事実上必要ない(キーボードを一本指で打つような)社員が大勢いる。しかも定年延長が決まってそいつらさらに居残ることが決まったので嫌になって自分らが辞めた。そういう記事ね。


 ひっかかるのは、そいつら別に職権で仕事に口出ししたり同じチームで足引っ張ってるわけでもない人達であること。つまり直接迷惑かけられてるわけではないが(経営者でも管理職でもないのに)ゴクツブシにも給料が払われるという事実だけで、もう一緒には居たくないという憎悪の矛先が向いていること。


 彼らのクビを切ったところで給料が上がる可能性は殆どないだろうけど、それでも「使えない奴」が目に入るだけで耐えられないまでに憎悪がヒートアップしていく。おそらく世代的なルサンチマンがあるのだろうが、この構造は危険を孕んでますよ。


 「さくらを見る会」のあいつらだけ税金で飲み食いしてズルいという、まあ些細で素朴だけど抜き差し難い感情にも似て。


 まあ今どき窓際族を抱えてるなんて良い会社だと思う感性のほうが外れ値で、「ひとりひとりが経営者感覚を持て」ってネオリベな理念の方にシンパシー集まるのが世情ってもんでしょうが、ただその思想に労働者サイドへの恩恵はまるでないよね、経営者は否定するがこの20年でまるでないことは実証された。


 使えない奴や醜い者をできれば視界から消したいというのは、それこそナチのレニ・リーフェンシュタール的な十全性への賛美ってものだろう。だが怖いのは若けりゃそう思うのはわりと自然だってことだ。


 さて、そういう感性が世情に蔓延している中で若手政治家の人気ポピュリストが「無駄に金を貰っている生産性の低い(誤用)人たちがいます、皆さん考えてみませんか」って火をつけたらどうなるかわかるやろ。


 この問題の本質は、大手のボンクラ爺社員がクビになるだけでは済まず、生産力のない人たちへの過剰なバッシングにあっさり雪崩れ込むことですよ。


 上級国民デマなんかあっさり信じ込むところからして、野党サイドにこの件で期待できることなどなにもないしな。


 そもそも令和元年時点でメーカーにキーボードもまともに打てない現場労務者でない50代の正社員が窓際で大勢養われているって事実関係からして疑わねばならない話だよな。朝日新聞だけに。

勤務中に激打シリーズであたたひでぶやってた世代が今の五十代なんですよね。。。。。

正社員は資料作成のためキーボードは使えそう。
経営者は...