「エコ」はいやがらせ

 「みたいなこと」とか、そんな迂遠な話ではなくて、「イヤガラセです」って最初から言ってるんだよ。


 今の職場は前の職場よりゴミの分別にうるさくて、ペットボトルもラベル剥がして不燃物として捨てろみたいな感じなんだけど、国民がゴミの分別をさせられることだってそもそもイヤガラセなんですよ。だってゴミの分別が義務化される前は自治体の処理場で分別処理していたわけだから。


 「国民に不便をさせることで環境意識を高める」って方向性はあの時から始まっていたんですよ。高機能ボイラーで全部燃やして熱回収しても国民に分別させても環境負荷なんて変わらないし逆に非効率だったりするんだけど、あんまり便利だと国民が環境負荷を無視するって理屈で全てが始まってるわけ。


 ゴミの分別が始まった頃のことはちゃんと覚えているんだけど、あの頃の社会的な風潮って「大量消費・大量廃棄社会の反省」「石油資源の枯渇」みたいなムードが支配的で、3Rとか4Rとかクローズドサークルで資源を回していくのが持続可能型社会システムだみたいな感じだったんだよね。


 同じことをやるにしても、そんなもん、処理場にコスト掛けて行政が分別リサイクル・リユースすればいいだけの話だったのに、その頃から緊縮増税教徒が暗躍を始めていて、要はそんな行政コストをカットして国民の無償労働に転嫁しただけの話だったのよな。


 行政コストを削減したいニーズと、環境真理教の「大量消費・大量廃棄型社会」に対する反動のニーズが野合して、国民に持ち出しで廃棄物分別のコストを被せて、併せてその不便を被せることで環境意識を喚起して国民に大量廃棄に対する反省を迫るみたいな目論みがゴミの分別の正体ですよ。これ、普通に考えてイヤガラセですよね?


 本気でクローズドサークルにおける資源循環を考えるなら、国民に持ち出しの労力を強いるんじゃなくて、元々ビジネスとしてペイしないけど資源のライフサイクルを伸ばすリサイクルシステムに行政がコストを支払えば済む話だったでしょう。


 オレ、20世紀末の頃は編集プロダクションで企業の環境活動の広報の仕事をしていたから知ってるんだけど、企業がビジネスとして立ち上げた3Rのシステムって基本的に全部ペイしてないのよ。資源循環なんて資源の有限性に対する対処なんだから、ビジネスベースで儲かるシステムになるわけがない。


 今のマクロ経済の考え方で言うなら、資源循環なんてのは国がジャブジャブカネを刷って投入すればそれなりに八方良しの雇用創造になって社会的にも有益なシステムを構築できた可能性はあったんだけど、カネを出さずにイヤガラセで国民を締め付けたから、結局何の役にも立ってないのよ。


 しつこいようだが、本気でリサイクルをやるなら、行政がコスト払って国民から見えない処理場のフローとしてやればもっとスッキリしたシステムになったはずなんだけど、大量廃棄を止めさせるには廃棄にペナルティを設ければいいという発想と悪魔合体してしまったから今の現状があるんですよ。


 そして、それが回り回って多少なりとも消費に対するペナルティともなっていて、ある程度経済活動の足を引っ張っているという側面もある。一言で言って、環境政策としてイヤガラセ方式を採用するのは完全に失敗に至る道なんですよ。


 なんと、ご存じでしたろうか。今の廃棄物回収システムって、完全に大量消費・大量廃棄に対するペナルティとしてのイヤガラセでできているのですよ。粗大ゴミだって家電だってパソコンだって、昔は無料で回収していたのですよ。


 まあそんな昔にはパソコンがなかったから明らかに言い過ぎました(爆)。


 でも、たとえば皆さんが家電を買い替えたいと思った時に悩むのは「古い家電を廃棄するのにお金が掛かる」ということですよね。そういうふうに、現在の廃棄物回収システムって廃棄にペナルティを掛けることで消費も抑制しているし、それは別にたまたまではなくてそもそもそういう狙いなんですよ。


 このクソ長いスレッドで、これだけは覚えていってください。現状の環境政策って、廃棄にイヤガラセのペナルティを設けることで、大量消費を抑制し国民に無償労働を強いる貧乏くさい建付のシステムになっています。そろそろみんな「ふざけるな」「調子に乗るんじゃねぇ」って怒ってもいいんですよ。


 企業の環境活動なんてのは、完全にそのロジックなんですよ。従業員に環境活動という名の無償労働を強いて電気代を削減し産廃処理費用を削減する。「電力消費量を削減しました」「ゼロエミッションを達成しました」とか威張ってるけど、結局アレは従業員の無償労働によるコスト削減活動です。


 なんでこんな長話をしたかというと、そういう薄汚い滑稽な茶番が「レジ袋有料化」「プラスプーン廃止」みたいなくだらないパフォーマンスにまで発展して我慢の限界を超えたからですよ。あんなものはイヤガラセそのものの茶番なので国民はもっと怒ってもいい。