メディアの好況は焼け野原の後に

 昨日の遺品整理のこと。


 膨大な書籍を見ると、同じテーマの本を律儀に買ってる傾向を感じた。ジャズの名盤名演奏の特集号とか、毎度買って揃えてる。もう、わかってるだろうに。真空管アンプ製作の本はほとんど網羅してたんじゃないか。


 作家も一旦気にいるとずらっと買ってた気配。読んでるかどうか怪しい。CDはこれから整理だが、似た傾向だろう。


 思うに、戦後の情報に飢えた世代が、買えるうちに買っておくという態度をとってたことが、メディア産業を大きく支えたんだろう。読めなくても聴けなくてもとりあえず買う。


 神様のような客だ。


 そこをアテにしてたら、彼らは老いてしまった。その後の世代は、父や祖父の膨大な遺産をみてうんざりする世代だ。そりゃ、メディアが果てしなく軽くなるだろう。


 メディアの好況は、焼け野原の後に咲く。