2022年 参院選における10代の動向

 参院選が終わりましたね。本日は塾講師の立場から見た今の中高生の政治観のお話。東京の政治感度の高い中高生が集う恵まれた環境で教えています。学校ではないので、生徒や卒業生と比較的自由な政治談議をしています。その中で感じた、東京の中高生の政治観のリアルをお話しします。


 政治感度高めな中高生の多くは自民党支持。これがリアルです。彼らは「どこの政党が良いか」ではなく「自民党の誰が良いか」で話をします。保守の子は高市さん、中道の子は河野さんと。この守備範囲の広さ、若者の支持、自民党が強いはずです。将来、政権交代なんて本当にあるのでしょうか。


 立憲民主党は厳しいです。普通の中高生は正確な政党名すらうろ覚え。彼らは旧民主党政権を直接知らないはずなのに、どこから仕入れたのか「あの、2位じゃダメなんですか?の党でしょ」と言って冷笑します。一度ついたイメージって怖い。これが正直な10代の立憲へのイメージではないでしょうか。


 立憲民主党野党第一党で、本来ならば政権を争うべき存在のはず。でも、まもなく選挙権を持って上がってくる10代の若者の支持を得られていません。若者からの支持がないのでは今後じり貧の一途。支持者には申し訳ないですが、立憲での政権交代はほぼ無理でしょう。


 自民党以外で中高生の支持が強いなと感じたのは国民民主党と参政党。政治好きな中高生の支持率が高いように感じます(年代別出口調査の結果でも高め)。国民民主党少子化対策や経済政策を重視する若者に支持が広がっている感じがします。若い世代の国民民主党人気は本物だと思います。


 そしてまさかの参政党。ごめんなさい、私、泡沫政党だと思っていました。立憲民主党すら知らない子が、参政党は知ってますと言って、そこから知りましたInstagramやTik Tokで知ったそうです。政治にあまり関心がない中高生にも届いているようで驚きました。


 スマホを見せてもらうと、どうやら選挙権を得た同級生がInstagramのストーリーに積極的に参政党支持を訴えていたようです。Instagramという閉ざされたSNSで、草の根的に中高生に広がっていったのではないでしょうか。


 中高生のSNSの主流は今やInstagramです(←ここ重要)「Twitter世論と現実のズレ」を感じる方が多くいますが、高校アカウントを調べて気が付きました。「今の10代の子達、高偏差値の子しかTwitterをやっていない・・・!」


 例えば今、高校生のTwitter界隈ではアニメの影響で「アーニャBot」が流行っています。「アーニャBot」を楽しんでいるのは、開成、桜蔭、日比谷、西など進学校ばかり。ざっくり言うと、偏差値60以上の子しかTwitterを活用していません。


 5年前は異なりました。偏差値帯に関係なく大多数の中高生がTwitterアカウントを所有していたと記憶しています。それが、度重なる炎上の影響もあったのでしょうか、クローズドなInstagramに移行して、Twitterは知的な子だけが嗜むSNSに変容しつつあります。


 10代のメイン層のSNSInstagram。参政党が10代にビックリするほど広がったのは、普通の10代のたまり場であるInstagramの活用も大きかったのではないでしょうか。各政党は次回以降の選挙ではぜひ、Twitterの拡散では届かない10代のマス層に情報を届けることに力を入れてもらいたいです。


 今回の参院選で初めて政治活動に参加したS君。参政党を応援したものの「限界を感じた」と。「インスタや集会で盛り上がったのに、1議席しか取れなかった」ここで初めて、自分たちがマイノリティであることに気づくわけです。ネット経由で若者が盛り上がっても、政治の行方を握っているのは高齢者。


 若者や子育て世代がどれだけ声をあげても、数の論理で敵いません。人口構造からして、日本のシルバー民主主義はおそらくずっと続きます。普通選挙の発足時には想定されていなかった大問題。若い世代の声が届かないことが常態化する現行の民主主義のシステムには、正直限界を感じずにはいられません。

 参考① ANNの出口調査です。泡沫と思われた「参政党」の高さに衝撃です。


 参考② 高校生で流行する「アーニャbot」は進学校ばかり。知的な営みを楽しめる学力層だけがTwitterに居座り、それ以外の大多数のマス層はInstagramに移行しています。