手塚~トキワ荘世代&階層による「分断」の痕跡・雑感

 手塚~トキワ荘世代&階層の描き手が台頭してゆく過程は、読者世代と併せ技の「戦後」だったはずで、それは戦前からの少年(月刊)誌が週刊誌媒体の、しかもみるみるうちにマンガ専門誌になってゆく過程でもあったわけだが、それによって旧世代(概ね当時のオトナの標準型)の描き手たちがその感覚やセンスごと「時代遅れ」なものにさせられていった経緯というのもあったみたいでな……


 殊に「科学」「SF(空想科学)」「宇宙」「最新技術」「メカ」といった(手塚~トキワ荘世代&階層の得意な)分野を扱う時にその「違い」があからさまに出てしまったところ、良くも悪くも否めなかったんだろう、と。


 その不連続or分断、みたいなものは、「かわいい」関連でもうっかり表面化していたはずで、たとえばいわゆる少女マンガ(オンナの子向け、というたてつけで制作されていた商品)においても、手塚~トキワ荘世代&階層ほどくっきりとでないにせよ、そういう「かわいい」なり「素敵」なりの価値観や美意識においての「違い」は、市場の嗜好としても可視化されていってたんだろう、と。