困民文化としてのアニメ・メモ

 CONTINUEでの連載中、ずっと考えていたことですが、今の邦画は痛快アクションも青春物語もジュヴナイル冒険もなかなか作ってくれず、それらは全てアニメに代替されている。となれば僕ら普通の娯楽映画好きはアニメに行くほかない――だからガルパンが「ご家族向け映画」の座についても不思議でないのかも


 ジュヴナイル冒険は「ポッピンQ」、まさに東映時代劇でしたし、青春物語は「きみの声をとどけたい」で東宝タッチ。日活アクションも大映スペクタクルもアニメに承継された。そのうちクレージー金田一もアニメでしか見られなくなったりして。実写の監督たちは「暴力とセックス」にご執心のようですし

 そういえば、この前ガルパンを観に行ったら、その時の映画館は見たところ自分が多分最高齢の観客らしかった。やっぱり若者が目立ったが、中には家族みたいな五人組もいて、上は高校生ぐらいから下は小学生ぐらい、そして母親みたいな女性もいた。家族でガルパンなら、これは将来明るいのではと思った。


 その五人の中で一番小さい小学校中学年みたいに見える男子が、終了後「愛里寿が転校したんだ!」と母親らしき女性に熱っぽく話していて、これから帰って晩ご飯食べながら、家族でガルパン談義をするのかな、と思った。想像すると、なかなか羨ましい光景だ。

 ところで、最終章第4話は前半ずっと雪中での戦いで、M29ウィーゼル(主催者側の移動用車輌か?)まで出て来て、ちょっとほっこりしますね。


 一応補足しますけど、「将来明るい」というのは、家族連れのような幅広い世代を観客にしているガルパンが作品として将来にわたって支持されていくのなら、これは将来の展望として明るいな、という意味。