タワマンの光と影――タワマン文学事始

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https://twitter.com/nekogal21/status/1429971169151787008?s=20

 「あら、お買い物?」しまった、今一番会いたくない人間に会ってしまった。ダイエーの買い物袋をさりげなく隠そうとしたが、時すでに遅し。タワマン高層階の住民、たかしくんママ(45)はニヤリと笑った。「ダイエーね、安くて品揃えも良いわよね」。手には高級スーパーAOKIの紙袋が見える。


 「お米を買ったの?いいわね、うちは高層階だから気圧が低くて、美味しく炊けないのよ」早速、階層マウンティングが始まった。開業医の妻であるたかしくんママの住居はタワマン最上階のペントハウス(200平米)。共働きフルレバローンで買った低層階の3LDK(65平米)の我が家の何倍するのだろうか。


 メガバンクの一般職として、本社勤務の旦那と社内結婚した我が家の世帯年収は1300万円。システムが不安定とはいえ、世間的に高収入の部類に入るだろう。しかし、豊洲のタワマンに引っ越して幻想だったと気がついた。医者、弁護士、マンションブロガー。高層階に住む人たちと我々社畜は住む世界が違う。


 「たかし君ち、すごいんだよ!めっちゃ広くて、マリオカートホームサーキットができるんだよ!」息子のみつる(11)との昨夜の会話を思い出す。65平米の我が家では、リビングでマリオカートを走らせるなんて不可能。リングフィットアドバンチャーで精一杯。悔しさと情けなさで胸が一杯になる。


 「でもみつる君ママは偉いわよね、働きながら子供の勉強も見て」次は子供マウンティングの時間だ。SAPIXのαクラスの常連であるたかし君は、家庭教師をつけているらしい。我が家はといえば、プリントのコピーで手一杯。「タワマンだと勉強ができなくなるって記事を読んで心配で〜」どの口が言う。
窓際三等兵


 「これからご飯作らないと」と言って別れを告げる。「大変ね、うちはヘルパーさんが作ってから」今のは聞かなかったことにしよう。これ以上は限界だ。湾岸タワマンではなく、川口を選んでおけばこんな惨めな思いをすることもなかったのにーー。常に渋滞する、低層階用エレベーターの床に涙が落ちた。


……という、タワマン・格差社会・学歴あたりの日本人のコンプレックスを刺激する記事を適当に書いてヤフーニュースに載せたら、タワマンのロビーにすら入ったことのないヤフコメキッズ達の議論が白熱してアクセス数稼げると思うんですよね(ゲスい顔で


AOKIのある豊洲ダイエー大型店舗は近くないのでどっちかというと普段使いは文化堂やイオンの方が多いですかね。そしてAOKIのあるららぽーと豊洲駐車場は江東区住人の足立ナンバーBMWが並ぶ中、中央区住人であることを示す品川ナンバーマセラティの圧倒的存在感が……

https://twitter.com/nekogal21/status/1429978318514925576?s=20

*1:この後、しばらくの間、複数垢で展開されていた「タワマン文学」のはじまりあたりのたたずまい。