産業が気質を規定する・メモ

 テープ起こししてて気づいた。農村と漁村のじいさんばあさん、漁業と農協といったほうが分かりやすいか…同じように日に焼け深く皺が刻まれた貌で、同じようにぶっきらぼうでも、話をするとずいぶん雰囲気が違うな。集落同士、たいして距離が離れてなくても違う。


 「このへんを仕切ってるのはだれそれ」なんて言い回し、JAでは耳にしないけど、漁港だと優しそうなおばあちゃんでも言う。工藤會トップに出された死刑判決は、4つの事件への関与によるもので、そのうちの2つが元漁協長殺害事件関連なのだが、農業に農業権なんてないし、元締めもいない。


 それでもJAに反旗を翻し、そこに属さず農業を営み、農作物を売って暮らすのはたいへんだと聞いているけど、ボスみたいな存在が睨みをきかせているふうではないよね。


 当たり前なのだが、一次産業が根幹の地域でも海沿いと山では事情が違う。演説を聞いてると、漁業は港の整備に年間3000億の予算がついてて、どんだけ地元にぶんどってくるか。農業はものすごく下がった米価に、陳情でどれだけ補助金を出させるか。一俵あたりあと1000円上乗せして欲しいと言ってた。

 農業の畑や田んぼはきっちり線引きできていて、人の畑でとってくればはっきり泥棒ですけど、漁業は線引きが曖昧なので仕切れる人いないと維持できないですよね。 10数年前は密漁対策で船の上で金属バット持って寝泊まりしてましたよ。

それはすごいっすねw 産業の成り立ちが違うと、気風どころか風貌にも影響するのかと、あらためておどろきました。

農、漁、酪農と住んできましたが、酪農はまた違うようですね。一部地域かもですが、道北では集団農場が沢山入ってきたことや、世話人がいないと新規就農で信用がないので、漁業のそれとは違った形式のボス的な人(長老?)がいました。葬祭時は家族親族より上座に座ります。

それはありますね。集落の特徴は長い歴史に培われたものだからでしょうか。

産業が気質の一部を規定するのだと思います。