アメリカの流通事情・メモ

 アメリカの物流は超低品質なのでAmazonの荷が届かないことは日常茶飯事だが、感心するのはここで決して「追跡調査」という異常系に踏み込まないこと。「届いてない」ボタンを押すと速攻で同じ荷が発送される。異常系を正常系で回収するオペレーションの方がTCOが低くスケーラビリティがあるのだろう。


 返品・返金処理も非常に簡素で簡単にやれる(Amazonに限らず、米国の小売りは、日本に比べ一般的にホイホイ返品を受け付ける印象がある)。自分も昔日本の大きいEC構築に関わっていたことがあるが、返品プロセスが複雑で難儀した記憶がある。


 米国の小売がこういうクッソ簡単なオペレーションになっているのは、人件費が高い割に労働者の作業品質が低く、難しいことをさせられないからである。レストランの店長さんと話していたら「ちゃんと出勤してくれて、注文間違えずに取れたら逸材」と言っていた。


 オペレーションの単純さという話でもう一つ思い出した例が米国の薬局。日本だと一つの窓口で全ての業務を行うけど、近所の薬局では「処方箋受付」(Drop-off)、「薬を受け取る」(Pick-up)、「服用の説明」(Consultant)の三つに窓口が分かれている。そこまで細分化するか。でもやるんだよね。


 この手の「タスクの細分化」というのはアメリカ人のお家芸みたいなもので、もうこれ以上分割できないモナドまでタスクを細切れにして、それを大量の単純労働者に割り振ってスケーラビリティを出す。この分析と分割を偏執的にやれる人がスゴい。  米国の小売がこういうクッソ簡単なオペレーションになっているのは、人件費が高い割に労働者の作業品質が低く、難しいことをさせられないからである。レストランの店長さんと話していたら「ちゃんと出勤してくれて、注文間違えずに取れたら逸材」と言っていた。

 アメリ東海岸を旅行し住宅地を散歩してたら電動芝刈り機の刃が飛んできて、作業者が何も言わず作業を続けていて日本の良さを実感した。