ヴィジュアル系とヒップホップの関係・メモ

 90年代のヴィジュアル系、90年代の日本語ラップシーン直撃世代の自分にとってもこの方は面白い存在だと思うので注目はしている。ただBADHOPのように本質的な部分でのV系とのリンクではなくて、バブル期以降のポップカルチャー化したV系が産んだ存在かなと思ってる。


 V系とヒップホップは正反対に見えて実はかなり近い存在にある。例えばフックアップ精神はYOSHIKIさんやhideさんが LUNA SEAGLAYを世に送り出した事などに通じる。またストリートから勝ち上がっていく精神はRYUICHIさんが言う「サブカルではなくメインストリームに向かって行け」に通じる。


 90年代V系にも拳と拳でわかりあうような漢と漢の熱い友情、ヒップホップでいうホモソーシャル的な側面がある。あの頃のヒップホップでいう「マス対コア」はヴィジュアル系でいう「マスとコア」で、厳密に言えば違いはあるが、レベルミュージックという点で本質が繋がっている。


 ただ共通点があるのは初期まで。X JAPANの解散やhideさんが他界してからV系ホモソーシャル的な世界観は薄れはじめる。求心力を失ったシーンは内に向かいはじめ"麺"と"バンギャ"という閉ざされた世界が構築されだす。シーンはV系匿名掲示板に代表されるような閉ざされた村社会化してしまうんですね。


 簡単に言ってしまえばヒップホップでいうところの"サグい"バンドがいなくなっていくんですね。V系バブルの商業化で。初期のX JAPANBUCK-TICKのライブにいたような不良少年が去っていってしまったんですよ。その不良少年たちがどこにいったかというとヒップホップに行ってしまったんですよ。

 ↑ これがブーム終焉の一つの理由であると思います。「過激で暴力的で美しく、視覚でも音でも衝撃を与えるヴィジュアルショック系」から「中世的な美少年が非日常的なエンタメを魅せるV系」へと変わっていった転機。どちらが良い悪いではなく、ヴィジュアル系の本質はここを転機に変わっている。

 このスレッドで話してる事は多分反応薄いだろうなーと思ってたので理解してくれる人がいるのは嬉しいなー。V系って本来外に向かっていく精神だったんだけど、内に向かいはじめた。ブーム終焉とヒップホップの隆盛は無関係ではないって話です。


 内に向かいはじめた結果、ゼロ年代以降のバンドは"麺"と"バンギャ"という閉ざされた世界での恋愛や精神世界をモチーフにした歌詞が増えてくるんですね。それが俗にいうオサレ系や密室系。オサレ系なんて「イケてる麺の私服コーデ」がヴィジュアルイメージですからね。


 ここで言った事はジャニーズ系で見るとわかりやすい。X JAPANLUNA SEAに憧れを抱いていたアイドルの子達がヒップホップに以降しはじめるのもV系バブルの頃。いわゆる「ジャニーズラップ」のはじまり。商業化したV系に男の子が不良性を見出せなくなり、結果ヒップホップに持ち駒を奪われた。


 簡単に言ってしまえばヒップホップでいうところの"サグい"バンドがいなくなっていくんですね。V系バブルの商業化で。初期のX JAPANBUCK-TICKのライブにいたような不良少年が去っていってしまったんですよ。その不良少年たちがどこにいったかというとヒップホップに行ってしまったんですよ。


 生田斗真さんがhideさんの魅力を「不良性と凶暴性」と語っているが、そのバイオレンスな要素って必要不可欠なものだったんだよね。なんていたってサイケデリックバイオレンスクライムオブヴィジュアルショックだからね。EXILE系でもV系通過した子いるみたいだけど、今V系やってないのが論より証拠。

 写真は初期LUNA SEAの男スレイブ。こういう悪っぽい男の子たちがヴィジュアル系から離れて行って男のV系ファンはどうなったかというと、所謂「ギャ男」っていうトライブが形成される。バンギャの男版。


↑この話って某Rさんが「V系はあの頃からナヨっちくなった」と発言して某Iさんがブチギレして炎上した件とつながる話で、感覚的にわからない人は全くわからない話だから、共感のコメントくれた人には「心の友よ」と言いたい。マジレスマジメイキングした甲斐があった。