量も質もボロ負けだった戦争・メモ

 リツイート。それはぼくも20年くらい前に通った道。日本に居て日本語のミリタリー書籍(1970-80年代の)ばかり読んでいると「世界初の戦略偵察機百式司偵」とか「米軍を驚愕させた二式大艇」とかのアオリ文句が身についちゃうから、海外というかアメリカに来てみると、日本機なんて十把一絡げに「ゼロ」で片付けられている現実に「どういうことだよ!」と思ってしまう。


 日本陸海軍軍用機の生産数と配備時期を調べると「…全部ゼロでもしゃーないよな」という気になる。そして米軍機の生産数と配備時期を調べると「あ~…」という気になる。


 「ブリキの戦車と違って飛行機の性能は同等、数が同じなら負けない」というのもせいぜい1943年前半までの話、あるいは大戦末期まで生き抜いたベテランの強がりみたいなもので、1944年以後に前線配備された米軍の「新人」は総飛行時間500、戦闘訓練200とかを積んでたりする。


 調べれば調べるほどに「ダメじゃんこの戦争。陸だけじゃなく海でも空でも、量だけでなく質でも圧倒されてボロ負けじゃん」という容赦ない事実に直面して、「震電が実戦化されていれば戦争には勝てなくても、B-29に一矢は報いられた」とか言ってたのが虚しくなる。


 そこから「俺は騙されていた!日本軍のダメさ弱さをみんなに知らせなければ!」という変な使命感を持って、正反対に偏ったバイアスだらけの見解をポンポン出しちゃう暗黒面に落ちる人は、たまにいる。