少年ライダー隊、の挿話・メモ

「昔、少年ライダー隊の隊員だった」という人に話を聞いたことがある。


 彼は自転車に乗るのが上手い子役ということで、まずライダー自転車のCMに出演、これが認められて本家ライダー隊の役を得た。しかし吃音があったため台詞のある役は貰えず怪人に追いかけられてばかりだった。


 怪人は中に人が入っているとわかっていても怖かったが、もっと怖かったのは他の少年ライダー隊の子役たちだった。子役たちは子供なのに酒を飲んだり女の話ばかりするような不良集団だったのだ。


 おとなしい彼はヘルメットを隠されたり、背中に泥を塗られたりしていじめられ続けたという。


 その後、彼は「Kちゃんシリーズ」という別の子供番組のレギュラーになるが、こちらでは主役の少年俳優がロケ先で弁当を路上投棄する事件が発生。この責任を押し付けられ、近隣住民の家を謝罪行脚させられた。


 しかし、子供時代に辛い経験を経たおかげで、少々のことではへこたれない人間に成長。地方芸能事務所を経営し、財を築いた。