かつて、本邦の商品レコードに「ライナーノーツ」という「解説」的なものが必ずつけられるようになっていった経緯について。
「歌詞カード」的な意味あいも含めての「解説」、ないしは収められている楽曲や音楽についての関連情報を提供するという意味での「ライナーノーツ」。その延長線上に音楽雑誌の類もあったところはあるはずで。
単に「好きな曲」をただ楽しむ「だけ」ではない習い性が本邦世間一般その他おおぜいに、ある時期ある過程によってすでに刷り込まれていたこと、などなど。要継続検討お題として。
「洋楽」のレコードは「訳詞」と「解説(と称したヒョーロンめいたもの)」が標準で付いてましたからね。それも含めての価格設定。一方輸入盤を買ってみると歌詞カードすらついてなかったりしてビックリしたものでした。
薄い記憶。ビートルズのアルバムの輸入盤が、国内盤より安い(円は今よりかなり安かったはずなので、欧米ってレコードがさらに安かったということ?)と言うことだったが、歌詞カード(英語)とかついていないのと、樹脂の質が悪いとの噂で見送った。歌詞カードって日本だけだったんだろうか。
ハリウッド版ゴジラ(キングオブモンスター)を観に行ったらパンフレットが通常版とデラックス版が合った若い人は殆ど通常版かそもそも購入しないが金と暇のある爺はみんなデラックス版を購入していた。爺は劇中モスラの曲が流れたら涙ぐんでいた
映画における「パンフレット」と称するもの、あるいは、劇場や寄席などの上演されるコンテンツにも形態や名称は異なれど、同様な「理解を深めてもらうため」というたてつけの紙媒体が必ずと言っていいほど付随していた事。
今、どの分野の「通常盤」ブルーレイディスク買っても、ライナーノーツ、ブックレットが無いです。迷ったあげく、レコード会社に電話して確認してしまいましたよ。驚いたのはコルセンの反応で、丁寧に尋ねたのに即「キャンセルされたいのですか?」と返して来て…ある程度は苦情来てるのかもしれません。
さらに敷衍するなら、美術館や博物館その他の「解説」媒体などにまでお題は拡がるはずで、な……(´-ω-`)
江戸時代から歌舞伎の筋書、番付なんかが売れたのを見ても識字率とは無縁ではないんでしょうね。
箱一つぶん封切り映画パンフ(プログラム言うてましたな)あるです🎵
映像ソフトでも、ビデオテープ、レーザーディスクと生き残りつつ、DVDになるとなくなっていった、ライナーノーツ的なもの…
そう言えば、いわゆる邦楽、歌謡曲や演歌の類には、ライナーノーツ的なものはついてなかったような。アイドル系になると違ったのかな。そのへんの記憶、ちょっと掘り返してみても、よくわからない。「振り」や踊りの類がついてくるような楽曲なら、舞踊譜的な絵ヅラの指示書きみたいなのはついてたけれども。
不思議なことに、映画より映画論が、ジャズよりジャズ論が、マンガよりマンガ論が、なぜか盛り上がった時代というのがあった。そういうものに触れた体験を何か言葉にしたい、そういう欲望は少なくともうっかりとものを考えたがるタチの人間にとっては避けがたいものとしてあった。思えば、LPレコードのライナーノーツなんてすごかったもんね。CDになってからあの不思議な能書きはきれいになくなっちまったけど、でも、近代ブンガクを考えるテキストとしてあのライナーノーツなんて格好の素材。サブカルチュアと自意識の関係を歴史的に考える上でのいい資料かも、と思ったりするんですけど。
LPレコード一枚を買うのに死ぬほど思い悩み、買ったら買ったでジャケットからライナーノーツ(思えばこれももう見かけなくなりました)からなめるように眺めまわし、読みつくし、いざ聴くにしても盤面に針を落とすまでに儀式みたいな手続きが必要だった時代、思えば音楽を聴くのは面倒くさい作業でした。でも、その面倒くささの中にこそ宿るもの、もあったような。シリコンオーディオの手軽さ、簡便さだけが一気にあたりまえになってしまったかに見えるわがニッポンですが、テープやレコードのアナログ音源も、デジタル音源との対比でこそまたその良さを、改めて「発見」できるのかも知れません。