底辺校の学力・メモ

 塾・予備校講師の認識として必要なのは、自分たちの見ている生徒は、高校生の一部、特定の学力層だということで、決して日本全体の標準とは限らないということ。(まず、通っているだけで、程度の差はあれ、意識は高い)私は、言葉はよくないが、いわゆる底辺校に関わったことがあるが、高校生によっては、中学あるいは小学校の内容も怪しい生徒がいるところもあって、数学Iを教えてみても、それ以前の知識・理解が不安定なので全然頭に入らない。それでも消化しなければならないので、「2次方程式の公式を覚えてもらって、当てはめて解ければよしとする」くらいのことはあると思う。


 つまり、カリキュラムがそこでは難しすぎるということ。到底、三角比は壊滅で、学校によっては三角比をすべて終わりきらないで数学Iを履修したことにするところもあった。(もちろんよいことではない。)
だからと言って三角比を数学Iから削除すると、理解できる子から機会を奪うことになるから難しい。


 「嘘でもよいから、手順をわかりやすく教えてくれる方がよい。」「嘘でもよいから、とにかく学校のテストを通過できる方法を教えてくれる人が神」という背景にはそういうのもある。どのくらいいるのかわからないが、大学進学率が55%くらいのことを考えると、相当数いるのかもしれない。


相当数いても、少しずつそこを変えていかないといけない。そうなるためには、きちんと理解できたという人を増やすことだとは思う。