「大卒」に期待されるもの、とは?

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大きなことば≒抽象的な概念を扱えること 

 概念とは、絵にも描けないし具体的なモノとしても示せない、でも「ことば」である。

 われわれ人間がふだん使っていることばは主に話しことばであり、それはほとんど個別で具体的なレベルから離れることはない。

 だが、同じことばであっても、抽象度のあがったことばというのもあり、それもまた同じ「ことば」としてわれわれは扱うことができる。

 そのようなことばを介して、抽象的なレベルと、ふだんの個別具体のレベルとを等しく、同じように取り扱うことができる能力。「抽象」と「個別具体」の間を自由に行き来できること、それが「大卒」に対して世の中が期待する能力のひとつである。



「概念」は、時間も空間も越えてゆくことができる

 抽象的なことばは、眼に見え音に聞こえ、手に触れることもできるふだんの個別具体の現実から離れた現実も、ふだんの現実と同じように操作し制御可能なものにする。

 それによって、自分が生まれる以前の現実、あるいはこれから先、死んだ後の現実も手もとで扱えるようになるし、同じように、地球の裏側の行ったこともないような場所や、あるいはさらにこの世に存在しない現実までも、〈いま・ここ〉で扱えるようになる。

 人に言われて指示されたことをやる、そんな仕事だけでなく、さらにそこから先、人に指示してやってもらう、それも複数の人に対してやりながら、同時に自分が直接使っている人たちだけでなく、同じ会社全体、さらにはそのライバル会社や、それら含めて属している業界の動向、そしてそれらを規定している行政や法律のあり方、社会の動きなどなど全部ひっくるめて「わかる」ことを、自分の仕事の〈いま・ここ〉におろしてくることができる、それが世の中が「大卒」に期待していることの重要なひとつ、である。

*1:もともと弊社新人若い衆のためのメモというかレジュメというか。役に立っているのかどうかは(゚?゚)シラネ