獅子舞やめる?やめない?のこと・メモ


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【文化が死のうとする現場にいて】


町内会のオッサン連中で獅子舞を存続させるか話し合い。

「秋祭りに町の全戸を回る獅子舞は若者たちが受け継いできましたが、人が減って壮年者も参加せねば存続できない状況になりました。私たち次第ですが、続けますか辞めますか?」

場の最年長者が口火を切る。

「その前に年末の宴会やけど、時代も変わって楽しくないやろ。今後はもう一切ヤメちゃって費用は何か町のために使おうさ」

えええ地方でそんな意見出る〜⁉
大賛成パチパチからの

「それで獅子舞もヤメよ。時代じゃないやろ」

えっ…
そこからだんだん辞めようムードが増し、ついにソロソロと挙手

「引っ越してきた者の意見ですが、獅子舞を見てホント驚きました。この町の男子は全員、獅子も舞えるし、太鼓も叩けるし、笛も吹ける。誰もがどの役につくこともできることにビックリしたんです。

ここは農村やから、田んぼを中心に皆の気を合わせていくことが大切にされてきたはず


その秘訣のひとつが獅子舞なんやなと。こんな息の合い方、ヨソでは欲しても得られません。ほら、だってこうして20人以上のオッサンが机を囲んでいるのに、澄んだ場になるなんてスゴいよ」

周りを見渡すと?の目

「会社の会議とか妙な緊張があったり、逆にダレた奴いたり、場が淀んでしまうもんですが、ここはみんな落ち着いて静かで気持ちいい。それは気や息の合わせどころを経験的に共有しているからやと思うんです。


伝承には現代人のぼくらには計り知れない価値があって、獅子を舞うごとに先祖代々の男たちとも響き合いをみせている。無くしてしまうって聞いて、喪失感ヤバいっす」

その後の流れで獅子舞保存会を設立して続けることに。価値という外部視点を得て、自覚的な保存に入る。

ふぅ〜良かった。
でもね


価値を守るのは目的じゃない。
経験という内部視点を重ねる方便。


身近な人や身近な無形の存在たちと、澄み切って漲る力を味わうことができる獅子舞に惹かれてるから。


稽古仲間以外に届く想定はなかったから前提が不十分でした……ぼくは外から来た新人のオッサンとして獅子舞を創造的に再発見しながら継承していきます。どうも音と所作の傾向を合致させて力を場に表象する古人の感性が、素のまま残されている様子だから、演じ手として経験していくのが愉しみです〜