「鬼滅の刃」と、歯のなき小さき人々・メモ

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 小さき人々がなんかもしゃもしゃ食いながらこっち見てるなーと思ったら、やおらじゃんけんして代表者が質問しに来たんですよね。


「仕事(納めだからええやろと思って着たら思いの外目立ってショック受けてる普段)着だよ」って言ったら「仕事でキサツ服着るんですか?!」て小さき者どもが集まってきて、


「キサツ服って何ですか」
「鬼殺隊の人、学ランの上にそういうダボッてした和風のジャケット着るんです」
「(鬼殺服、か!)」
鬼滅の刃知ってますか」
「大人のおねえさんが知ってるわけないて」
「水の呼吸、壱の型」
「知ってた!」
「じゃぁその服、鬼滅のですか?」
「(喜べ、君らの民族衣装やぞ)」


 羽織はアニメコラボの服とかじゃなくて日本の民族衣装なんや、昔の日本人は普通にこういうの着てたんや、たんじろの生きた時代に合った服で、鬼殺特有のファッションとかじゃないんだ…って話したら終始「うぉー!」「マジか!」「作者物知り」って言ってたけど、君らに授業する先生すごく楽しいと思う。


 しかし、ハッピとか祭りで見かけないかね。身の回りに羽織の類似品ならいくらもあろうて?それに、鬼滅以外にも「羽織のシルエットがかっこよく見える」コンテンツはいくらもありそうなもんだが。わしゃ知らんが。


 上着代わりに羽織着て出動したら同僚から好奇の目で見られて「Oh, kimono?っておいおいやめてくれよボブもとい吉田、NYならともかくここは日本だぜ?世界で一番着物姿が目立たない国のはずじゃないかどうした…」ってしょげ返りたる猫、小さき人々の学習素材になったならまぁいいか…、と開き直る

すごくどうでもいいですけど、前歯があったりなかったりする子どもって何歳くらいなんですかね?賢そうな話し方する子達でしたが多分まだ中学生ではなさそうな。

一人は読書感想文に鬼滅を選び、ノルマ枚数を大幅に超えた量を提出して先生にほめられながらやり直しを命じられたらしい。
「感想文を17枚書いたから先生に絶対ほめられると思った」
「超褒められたし、階段に貼ってくれた(階段?)」
「でも書き直そうねって別の本くれた。おもしろかったけど17枚書くほどじゃなかった」
私の勘として、あのくらいの小さき人々にとって原稿用紙17枚ってのは相当な偉業なんかないかな。

 よくわからんけど「階段に作文を貼られる」のは前歯なき人々にとっては誉らしいよ。階段?多分階段って言ってた。階段に貼るか?とは思うけど。周りも「階段に貼ってあった」「ヒマワリとアサガオつけてあった」と友達の偉業を讃えてましたし、雰囲気からするに多分相当凄いことなんだと思います。何か知らないけど「漫画だけど小説だから朝読書で読んでも別にいいから学校で読んでも悪いやつとかではない」って一生懸命言うてたけど、大人には朝読書とかないんや。すまんな。

 羽織ごときで興奮できるなら、君らいつの日かレイヤーに街中で遭遇できるといいな

 多分あの子達、前歯がない年齢のわりに頭いい方の子だと思う。それでも「言語化しておらず相手に伝わっていない『自分の頭の中の感情や意見』の続きの部分から話しだす」「論理ではなく自分の感情に対応して接続詞を使うので意味不明な文を発する」など不完全な発話してたから、小学校の先生って凄いね。

*1:この頃からもう「鬼滅…」は小さき人々の間で確実に根を張っていた証跡として……