歴史

「大衆」コンテンツを扱う方法・雑感

汎用量産型の「大衆」文化コンテンツの「研究」なり「批評」ってのは、ひょっとして「網羅」したりコンプリートといった方向での「全部おさえる」的な手続きってのはある意味、必要じゃないのかもしれんでな……少なくともそれだけではないアプローチはもっと誠実に考え…

「景気」の戦後史

バブル期に新卒のペーペーとある程度役職がついてたり、自営業の社長とは、同じ好景気を経験したと言っても雲泥の差があるのでは。ただまぁ、バブル崩壊後の不景気しかしらない世代にとっては、バブル期のペーペーですらうらやましいかもしれないけど・・・— エ…

読み方についての来歴・雑感

読むべきものとしていの一番に「論文」というジャンルが疑いもなく当然のように出てくる、出せてくるあたりがもう、外道にゃ理解でけん感覚だったりする。 読むべきだと思ってそう判断したなら何であれ読む、文字活字であれば言わずもがな、それ以外のもので…

エロと仏教の関係・メモ

だから「じゃあ解消してあげましょう」という観音さんなり吉祥天なり辨天さんが出てくるわけ。— 中村甄ノ丞あるある早くいいたい (@ms06r1a) 2020年2月20日 他所の宗教は知らんが、仏教についてはセックスするなっていうのは悪いことだからじゃなくて面倒臭…

海軍士官の恋愛、キリスト教・メモ

今日もNHKの人たちと話していたのだけど、戦中を描いたドラマで脚本家が、ややもするとクリスチャンの兵隊が虐められたりする設定にしたがるが、私の知る限りの零戦搭乗員にも意外にクリスチャンはいましたよ、と。— 神立尚紀 (@koudachinaoki) 2020年2月20…

web環境の同時代史・メモ

*1 にちゃん運営陣に女性がいたはずだからひろゆきの指す「女性」は公衆としての…でそれはやはりガラケー=imodeの普及が大きいのではないかなあ(99年開始)それ以前のパソ通信時代も女性ユーザーは居たし2ちゃんも忌避/隔離されるくらいには女性がいたと思…

妖怪画、の系譜・メモ

*1 絵巻の妖怪は基本、浮世絵(勝川・葛飾・歌川)とかとはぜんぜんクロスした発達をしてない点はわかってるので、武家や支配階級な市民の画技たしなみ(仕事で絵図を書くための習い事)の空間で描かれたり、達者なひとや本絵師の美品は端午の節句とかの贈り…

「バブル」という歴史・メモ

*1 二度の石油ショックを乗り越えて奇跡の復活を遂げつつあったのが80年代前半。わが国のコスト競争力に対する自負はまさにこの時期に培われたので、ここを相対化しないことには今の「コストダウン絶対主義」を乗り越えることができないと思っています。 htt…

体験・記憶のいまどき・雑感

ググって見つからない、断片も存在しないものは、自分自身の記憶の中にも存在しないもの、になりつつあるような気がする。記憶装置の外化、という「便利」と引き換えに、自分自身の生身の「体験」や「経験」のありようも変えてしまっているところ、あるのか…

異文化・「進化論」・日本人・メモ

*1 www.asahi.com このカズ・ヒロ氏は、日本人がバイカルチャルを持つのに失敗したパターン。日本人が西洋圏に出ると謙虚さや正直さと言った日本文化で美徳とされてるものが生きていくのにマイナスになり、足を引っ張るんです。その後内面でものすごい葛藤が…

バイパス地理学・メモ

昔の幹線国道は街中をいちいち抜けていた。街道が元々なので当然なのだが、道路地図に市街地通過の略図は付き物だった。昭和43年のミリオン地図の村上市を見ると、なるほど。城下町の鉤形街路が酷くて、昭和40年に早くもバイパスが完成している。昭和28年応…

「妖怪」の図像系譜・メモ

受け手の分野というよりいざ研究をきちんとしようとしたときに、「あ、この図鑑にあること整合性とれてない文章なのか……なるほど」っていう段階にまで進めることのできる研究者と、そのへんごちゃまぜな研究者とがいるのでマトモな研究書や論説にそういうの…

虚構と非虚構のあいだ

*1 昨夜、さる方とお話しする中で、日本人は戦後のある段階から、「非虚構性の強い虚構表象」を放棄し、「これは虚構ですよ」というコンテクストマーカーが明確に付与された虚構表象だけを享受する消費態度向かったのではないか、という仮説を抱き始めている…

丸山真男に「感動」する若い衆世代

丸山真男に初めて触れて感動しとる若い衆世代最近ちらほら眼にするが、理論や解釈枠組みの「あ、その通り」と思わせられる度合い「だけ」でうっかり感動する/できるようになる程度にゃすでに「歴史」の範疇に織り込まれてきとるんだなぁ、と 同時代を生きていた…

資料拡大の現在

「歴史」も「社会」も、いずれ現実と称される水準の最大公約数な〈リアル〉を形成しとる共有素材は限られとるわけで、常にその向こう側に未だ素材/資料化されていない領分があるということをさて、どのように「わかる」に織り込んでゆけるのか。 それらを素材/…

むかしより今は「民度があがっている」?

かつてより今の方が「治安が良くなっている」「民度があがっている」的な認識はかなり自明の感覚として共有されているらしく、ある時期以降の比較的若い衆世代の間では。 それは自分たち自身の感覚や認識としても、という意味らしく、それを前提に「年寄り」「お…

「義理」と「人情」

「非対称」だとすわりが悪いんで、「生きる世間の違い」に根ざした「(選択できない)違い」みたいなもの、だととりあえず解釈するようにはしとる、自分的には。 そういう存在(≒(言葉本来の)「他者」)が「この世」にゃ同じように生きとる、でも生きる世間が違う、…

「デバッグ」の必要

*1 「弱いものいじめ(・A・)イクナイ!!」的な言わずもがなになっていた「常識」の水準に、敢えて言語化可視化させて「政治」文脈の武器として振り回す作法への素朴な「民俗」レベル含めた違和感嫌悪感、ってのは、かつての社会主義者なり左翼なりの身ぶりや現前に対…

「児童」と「民俗」・雑感

「民俗」の発見と「児童」の発見の関係について。あるいは、民俗学と児童文学の、本邦近代思想史上の相似性について。たとえば、共に近代的な〈知〉の通俗化と凡庸化のある接点において、その版図をうっかり拡大してきたという意味においての。 これはあの柄…

あいちトリエンナーレ事件と戦後レジューム・メモ

今回のあいちトリエンナーレの騒ぎは、表現の自由など様々な側面で語られうるだろう。その中で私がなんとも残念なのは、韓国側からは持ち出せない形にした慰安婦問題を、日本国内から再燃させてしまったということ。せっかく完遂されようとしていた戦後レジ…

「左翼/リベラル」の現代史・雑感

「パヨク」(このもの言い好かんがとりあえず)に「乗っ取られた」(これも以下略)というのは、歴史or時代的文脈とりまざっくり無視した上で言や、戦後の大学やら研究所、新聞や出版その他メディアの現場なども軒並みそんなもん、だったんだとはおも。 「戦後」の情…

「年下の男の子」問題・メモ

「年下の男の子or彼氏」設定がおおっぴらに出てくる/これるようになったのはいつ頃からか、問題。*1 かのキャンディーズのが1975年、「プレイバックpart2」が1978年、「六本木心中」が1984年……懸案の、不良/ヤンキー文化が商品として消費される位相に入っ…

おもちゃとおもちゃ屋の民俗史・メモ

*1 「おもちゃ屋」(商品としての玩具商)という商売は戦後、おそらく昭和20年代末あたりから都市部で「儲かる商売」として増えていった経緯があるのではないか、と以前から推測。「おかし屋」(駄菓子屋でない)などと共に子ども相手の商売として。玩菓組合の結成…

少女マンガと劇画・雑感

*1 歴史的にはおっしゃる通り、かつて♂の漫画家たちが♀子ども向け漫画も♂子ども向けと同じように描いてました。ただ、当時は共に「子ども」向けに「おとな」が「良いものを」という意識で提供されるのが漫画でしたから「自分のために」描くモティベーション…

天安門事件30年・メモ

*1 tameike.net <6月4日>(火)○霞山会が出している『東亜』という雑誌がある。中国(や台湾)を研究している人なら、たぶん欠かさず読んでいる月刊誌である。今月号は「1989年の分水嶺」という特集が組まれていて、その中に「天安門事件とその後の中国の…

140年前の米大統領訪日

*1今から140年前・明治12年7月、ユリシーズ・グラント米前大統領が新富座で歌舞伎観劇。新政府発足以来超弩級のVIP、座元守田勘弥はじめ、貴顕紳士が接待に励んだのでありました。グラントは北軍の英雄だが、在任中は汚職頻発。「最悪の大統領」とも。 p…

「終身雇用」という伝説・メモ

*1 終身雇用と年功序列は日本の伝統だと言われるけど、これが企業文化として定着したのは戦後になってから。戦前は数年で勤め先を変える事は珍しくなかった。経営の心掛けには「備品の管理を徹底すること」がよく挙げられた(辞める時に会社の備品を持ち出す…

「眼」と「耳」のリテラシー・雑感

*1 こういう風に日常生活の衣食住の些末細部個別具体に、こういう「ビジュアル」表現と共に意識が合焦してゆくのって、概ねこの頃に前面化してきた印象がある。それこそ「考現学」系の認識枠組みなどともからめての要考察事案。 https://t.co/fUvXThpZJj— king…

クロウトの結界

不特定多数の視線や意識にムダにさらされるような環境や立ち位置に自ら好んで身を置こうとする(≒目立ちたいor有名になりたいor輝きたい)ことは、世間一般その他おおぜいな普通にとってはおのれの輪郭崩して自意識アキラ化してゆく危険性が大きいわけで、な。…

スナップ写真の「歴史」・メモ

こういうスナップ写真というか「街頭」の「世相」をカメラで撮る、という発想が当たり前になっていった過程というのは、それを可能にしていった技術や環境なども含めて、ずっと気になってはいる(´・ω・`) https://t.co/FtqA8Qe9Dd— king-biscuit (@kingbiscuit…