歴史

リースマンやガルブレイス、の新鮮

古いものしか読まなくなって久しい。いまさらながらに、だけれども、その傾向は大学から放逐されて以降、よりはっきりしてきた。このところはずっと、概ね敗戦後から昭和30年代~40年代、いわゆる高度成長が本格的に「離陸」を始めるあたりまでのものを、手…

上野昂志の「うた」の位相・雑感

*1 肉体の時代―体験的’60年代文化論作者:上野 昂志現代書館Amazon 上野昂志という名前ももう忘れられかかっているのだろう。だが、いわゆる大衆文化についてこれまで人文的な批評をものしていた一群の人たちの中でも、いま改めて読み直してみて、まだ何か引…

おたくのいがみあいの起源・メモ

これも何度も言ってる話だけど、80年代の「OUT」や「ふぁんろーど」では男性の投稿者も(当時でいう)やおいをネタとして取り扱ってる人が普通で、忌避・抑圧してる人は皆無ではないけど多数派ではなかった印象がある。— 葛西伸哉(HJ文庫『封印魔竜が〜』発…

リーマン今昔

https://twitter.com/araki_kazuyan/status/1435005466602393605 もうオレも普通なら定年間近の歳になった。 ヲレが子供だった50年前、会社員の定年前のイメージは、デーンと個室に座っていて、部下が持ってきた書類の山に、判子を押すだけで高い給料がもら…

戦争の話を少し

https://twitter.com/tentekomai801/status/1423795523836813318 戦争の話を少し。 大正一桁生まれの母方の亡き祖父は、出征せずに終戦を迎えた。年齢、跡継ぎ、僧侶で教師というのが理由だと思う。でも弟二人は戦争に行って、末の弟は南方で帰らぬ人となっ…

慰安・娯楽・趣味・サブカル

だって、「娯楽」だもの(´・ω・`) #あっさりかたづける https://t.co/LIpiF7PwO9— king-biscuit (@kingbiscuitSIU) 2021年7月20日 だって、「娯楽」だもの(´・ω・`) #あっさりかたづける >喜劇 1959年という戦後14年の時点で、日本人は太平洋戦争ネタを笑って観…

「教養」と「模倣」の間・メモ

1970年代から50年かけて、マンガやアニメ、ゲームの受容層が高齢化した結果、それらのコンテンツが教養化して、マンガも読まないアニメも見ないゲームでも遊ばない人達は教養人の条件を満たさなくなったんですよ。オリンピックの演出が薄っぺらいという発言…

「我々は守りたいのです」話法・雑感

https://twitter.com/sa_kura_10/status/1413500507235045383?s=20 娘が亡くなった翌日、学校から連絡があり、問い合わせに対し、娘がその学校に通っていた事、いじめがあった事をどう回答すれば良いか、問い合わせがあった。 事実を回答すれば良いのではな…

オーラルヒストリーの傲慢・メモ

だからと言って後世の人間が好き勝手に評していいものでもない、のだが pic.twitter.com/qOlaDrrO9m — 生贄夫人 (@spa_inquisition) 2021年7月10日 オーラル・ヒストリーがその時代の総体を表すわきゃねぇというのは自明だと思ってたからこその、後世の人間…

メカンチの天ぷら屋

①雨の夕方、学校帰りに天ぷらを五人前買って帰るよう母親に言われてた。関西医大牧野病院の前に天ぷら屋がありイカ天、イモ天、アジの揚げたのを売っていた。五百円札を出した。天ぷら屋の爺さんは強度の近眼。釣り銭に注意するより新聞紙にくるんだ天ぷらの…

〈おんな・こども〉の領分の伸長の「戦後」史・メモ

〈おんな・こども〉の前景化、主体化というのが、制度のたてつけなどと共に、あるいはそれ以上に先廻りして人々の意識の側からなしくずしに行われていったのが「戦後」の生活環境におけるある本質的な変化だったとおも。 概ね昭和20年代から30年代いっぱい、4…

「歴史」と「物語」

ある歴史のテレビ番組の企画書みて感じたけど、「歴史の真実!」みたいな流れで出て来る、一般側の前提的な「歴史」っていうのがほとんど「考証つきドラマ」か「教科書」だけで、芝居や軍談や髷ものでは無いんですよね。でも題材は「歴史」ではなくてドラマ…

小熊英二その他の闇・メモ

政治の季節の過激さが脱政治化してノンポリ化したはずなのになぜか反権力仕草としての清貧根性論が残って、それの反動で新自由主義化で獲得競争性資金が増えていくタイミングで「金を取れたやつが偉い」にいきなりなって… https://t.co/Qw2J01r4aH— 楚ノ名臣…

「おたく」と性差の精神史・雑感&メモ

たとえば、コミケは初期からおにゃのこが関わっていたという昨今では「史実」とされるようになったことについても、じゃあなぜ、どうして、ある時期までそういう「おたく」系女子の存在は「おたく」イメージにうまく反映されないままでいたのか、という謎は…

生産工程管理の重要性・メモ

【太平洋戦争下における日米航空産業の生産管理技術の懸隔に関する考察 / 前編】-大量生産ノウハウの蓄積の観点から-《はじめに》太平洋戦争は、航空戦力の優劣が勝敗を決する最も重要なファクターの一つとなった戦いであり、日本も乏しい国力を挙げて優秀…

ウェーイからバンカラまで・メモ

旧制高校のバンカラもウェーイだったという指摘を受けたことがあるが。だとすると旧制:バンカラ60年代:全共闘80年代:広告研究会現在:ミスター慶應というウェーイの系譜があるわけだ。— Leclerc (@3adam15) 2021年1月1日 もしかしてこれは、詳細に調査考察す…

ケケ中のめざすもの

竹中はどうにも労使関係の過去の歴史を知らないのか知ってるのかはともかく全てを無視して大正時代のレベルに戻したがってるよな、、、と思うんだけど— 銀髪推進派 (@alpaka) 2020年11月3日 竹中はどうにも労使関係の過去の歴史を知らないのか知ってるのかは…

近代文学と情報環境・メモ

文字活字の「読まれ方」というのが、その当時の情報環境とそれに伴い編制されていたはずの言語空間において、加えてその頃生きていた生身の身体とその身体性を介してどのようなイメージなり創造力の結果なりを宿していたのか、という問題。#わけのわからない…

ある戦争体験・メモ

先日母と父と兄の墓参りに行ったとき、今のうちに聞いておこうと思い立ち、祖父の出征前後や玉音放送の日のことなどを訪ねた。深川に一家で大工の組を構えていた祖父は昭和18年か19年に海軍に召集。見送りは皇居前広場だったという。また5歳程度だった母が…

アパレルと貧困化・メモ

親の若い頃の写真とか見るとブランド品とか身につけてたり、素敵な料理食べてたり、時代は違えど随分と「豊か」な感じを受ける。月給を聞くと「あーこの頃はまだ会社入りたてだから手取り23万ぐらいかな」って言ってて、少し間をおいた後に https://t.co/8Tv…

戦前から戦後へ、左翼的〈リアル〉への追及の仕切り直し

児童文学の側での、そういう「戦後」の始まり方。 「戦争が終わったときに、ぼくは山中峯太郎の本などを自分の日記と一緒に燃やしているんです。あとになって、民主主義で山中峯太郎が書けないだろうかという、非常に教条主義的な発想がありました。」 「『赤…

「30年前」という距離感

*1 「30年前」の社会風俗と称して60~70年代くらいのイメージを語っている記事が話題になっているけど、漠然とした昔というイメージで時代錯誤なことを語ってしまうというのはありがち— 原田 実 (@gishigaku) August 2, 2020 『トンデモ本の逆襲』(1996)で…

日米の「工業化」比較・メモ

日本の航空兵力は国力に負けたって言うやつ生産数に負けただけかと思ってたんだけど、軍需産業の構造がアメリカと日本でだいぶ異なってたのがしばらくしらべてわかってきた感じ— ぼろ太💙💛 (@futaba_AFB) 2020年7月31日 日本の当時の航空産業は国内の最先端工業…

「もののけ姫」の世界観・メモ

もののけ姫本編のアシタカはfalloutの主人公、NVでいう運び屋なんですよね。サンと山犬一族、エボシ御前とタタラ場、ジコ坊と師匠連、あとアサノ公方の利害対立に積極的に巻き込まれた第三者、マレビト、ストレンジャーなんです。 pic.twitter.com/oEGECXPEm…

岩さん的老後、のこと

俺ちゃんは何十年も職人の世界を見てきましたけど「会社が立ちいかなくなった」「盗癖や暴力が止まらない」「酒や博奕で仕事に出てこない」以外の理由で親方からクビを切るなんてことなかったですよ。つまり手足がマヒして半人前以下のパフォーマンスしかで…

「文化立国」の呪い

戦後的な「文化国家」幻想妄想 (戦争放棄で小さくてもつつましやかに生存してゆく、的な)は未だにこういう形で悪さしとるんかも知れんなぁ……— king-biscuit (@kingbiscuitSIU) 2020年6月4日 本邦人文社会系(いわゆる「文系」)の増上慢からお花畑(゚∀゚)アヒャヒャヒャ…

「昭和」なモノたち・メモ

昨日辺りからTwitter上で「昭和」が話題ですが、考えてみればポケベル、ⅯD、留守番電話も平成時代ですし、使い捨てカメラ、ワープロとフロッピー、家庭用ビデオデッキ、テレフォンカードはぎりぎり昭和時代の最後の方です。どっぷり昭和時代というと何があ…

「なつかしさ」と文化史のための記録や資料

「なつかしさ」とは別なモードになって初めて、文化史や風俗史は成り立つものかも知れない。逆に、「なつかしさ」を駆動させておかない・おけないジャンルだと、資料が失われやすいのかも知れず。このへんパラドキシカルに思えるかも知れないが、案外見逃さ…

「大衆」コンテンツを扱う方法・雑感

汎用量産型の「大衆」文化コンテンツの「研究」なり「批評」ってのは、ひょっとして「網羅」したりコンプリートといった方向での「全部おさえる」的な手続きってのはある意味、必要じゃないのかもしれんでな……少なくともそれだけではないアプローチはもっと誠実に考え…

「景気」の戦後史

バブル期に新卒のペーペーとある程度役職がついてたり、自営業の社長とは、同じ好景気を経験したと言っても雲泥の差があるのでは。ただまぁ、バブル崩壊後の不景気しかしらない世代にとっては、バブル期のペーペーですらうらやましいかもしれないけど・・・— エ…